目次
トレイルランニングは危険と隣り合わせなのでルールを守って楽しすコツ
自然や景観を楽しむトレイルランニング1.山のマナー&モラル
ロードを走るランナーも「赤信号では止まる」などのルールがあるように、山を走るトレイルランニングにも「山」ならではのルールが存在します。
ルールといってもなにも難しいことではありません。最低限の決まりを守ってトレイルランニングを楽しみましょう。
また、山を走るトレイルランニングは、最近ポピュラーになってきましたが、まだまだ「山の世界」では新参者といえます。つねに「山を走らせてもらっている」という謙虚な気持ちで走るようにしましょう。
あいさつをしよう
あいさつは決まりごとではありませんが、山は日常世界とは違い、ある意味危険な場所でもあります。いつどこで、助け助けられるとも限りません。
また、気持ちよく山というフィールドを楽しむためにも、山で会う方にはあいさつをすることで気持ち良いコミュニケーションをとりましょう。
できれば先に「おはようございます」「こんにちは」とひと声かけましょう。さりげなくあいさつすることで、お互い気持ち良く山という素敵なフィールドを共有できるはずです。
上り優先
狭い山道では、上ってくる方が優先的に通行することになっています。
トレイルの下りを走る場合、ハイカーが反対から登ってきたら、立ち止まって先に行ってもらってから、再び走りましょう。その際「お先にどうぞ」のひと言も忘れずに。
ただ、トレイルランナーとハイカーのスピードはあまりに違うので、自分が上りであっても下ってくるハイカーに道を譲るぐらいの気持ちがあってもいいでしょう。
追い越し時に注意
ハイカーとランナーのスピードは各段に違います。突然背後からランナーが猛スピードで追い抜いていくことは、ハイカーを驚かせるだけでなく、恐怖感を与えることになってしまいます。
トレイルで、ハイカーを追い越す時には、手前から足音をわざとたててみたり、ウエアの擦れる音などを出したりして、事前に気づいてもらうようにしましょう。
道幅に余裕があれば、できる限りハイカーと距離をあけ、減速して「お先に失礼します」「こんにちは」など軽くあいさつしながらスマートに追い越しするようにしましょう。
もちろんランナー同士でも、こうしたあいさつをすることや追い越し時のルールは同じことです。ぜひとも実践するようにしてください。
トレイルランニングは、ハイカーや登山者とほぼ同じフィールドで楽しむスポーツです。
ここ最近は、トレイルランニングというスポーツが少しずつ認知されてきていますが、何度も言うように、トレイルランナーは山ではあくまでも新参者です。マナーとモラルをしっかりと守って楽しむことが第一です。
トレイルを外さない
トレイルを外すと、裸地化を進め、トレイルの幅を広げてしまうだけでなく、植物も痛めるので、くれぐれも定めたれたトレイルを外さないように注意してください。そもそもトレイルとは、必要最小限のインパクトを考えて作られた自然の中の人工路なのですから。
細いトラバース道(平行道)では山側に避ける
人ひとりがわずかに通れるような狭いトラバース道で、対向者とすれ違う時には、静止して山側に体を倒し、対向者が安全に通過できるようにスペースを空けるようにしてください。
また、トラバース道に限らず、シングルトラックなどの細いトレイルでも、すれ違い時にトレイルを外さないように注意してください。つねに安全確保と自然へのローインパクトを考えましよう。
ゴミは持ち帰る
基本的にトレイルにはゴミ箱はありません。トレイルで出したゴミは持ち帰るのが原則です。そのためにもできる限りフィールドでゴミが出ないよう、事前に包装紙などから取り出して、中身だけを持っていくなどの準備をすると良いでしょう。
2.山の危険とリスクマネージメント
いたずらに警戒心を起こす必要はまったくありませんが、山には多くの危険がはらんでいることは、ぜひとも理解してください。とくに天候の急変には要注意です。「山の天気は変わりやすい」といいますが、高地で走ることもあるトレイルランニングは、天候の変化はつねにある、という意識をしっかりと持ってください。出かけるときに晴れていても、天候が急変して雨が降った場合にも対応できる準備を必ずするようにしてください。
自然の中で行動するトレイルランニングでは、つねに不測の事態に備えた準備と行動をとることが必須です。ここであげている項目以外にもいくつもの不確定要素がありますが、以下のような危険についてはとくに注意するようにしてください。
道迷い
私も、トレラン初心者だったころ、道を間違え、想定した場所とは違う場所に出てしまい、バスや鉄道を乗り継いでようやく目的地にたどり着いた、というような経験があります。
しかし、山という不確定要素をふんだんに持つ場所での道迷いは、こんな笑い話では済まされません。初めてのトレイルでは、コース全体を事前にしっかりと頭に入れて、エスケープルートや水場の位置などを把握し、プランニングをしっかりと立てたうえで出かけましょう。
また、マップは必ず携行し、分岐点ごとにしっかり現在地を確認しながら進んでください。確認後も、「ちょっと変だな」と感じたら、ためらわずに引き返すよう、つねに心がけてください。疲労しているとうっかり誤った認識をしているケースが、意外にあるものです。迷いながら進むのは絶対にご法度です。
日没
「秋の日はつるべ落とし」。
晩秋のころのトレイルランニングでは、とりわけ日没に注意してください。周りがまだ明るいと感じても、樹林帯に入ると一気に暗く感じます。
このため、トレイルに出かけるときにはつねにライト類の携行を心がけてください。
ライトを携行すれば心に余裕が生まれますので、無用なトラブルも避けることができます。
ホワイトアウト
ホワイトアウトとは、雪や濃霧によって視界が白一色になり、まったくなにも見えなくなってしまう状態のことをいいます。
一般的にトレイルランニングを楽しむ季節や標高を考えれば、ホワイトアウトに遭遇する可能性は低いと思われますが、濃霧によるホワイトアウトに遭遇することは充分に考えられます。
ホワイトアウトの度合にもよりますが、大切なことは現在地をしっかりと把握することです。本当になにも見えないような状況下では、その場から動かないこと。
視界状況が良くなるまで待ち、その後移動を再開する、というのが原則です。むやみに移動すると捻挫や滑落といったリスクが生じますので要注意です。
クマやハチ、ヒルなど
トレイルランニングに限らず、山で不安に感じることはクマとの遭遇です。国内の山域では、絶対にいないと言い切れる山域は少ないと思います。
いたずらに不安に感じる必要はありませんが、クマについては、出会ったらどうしようということより、出会わないように準備をする必要があります。
出没が確認されているエリアでは「熊鈴」の携行を心がけてください。
またクマに限らず、その他の動物やスズメバチ、ヘビ、ヒルなどとの遭遇にも気をつけましょう。場合によってはポイズンリムーバーや消毒薬などを携行する必要があるでしょう。
低体温症や熱中症
低体温症とは、体幹部の温度が下がり、体の機能に障害を起こす症状です。重度の場合には生命に関わる場合もあります。また、夏場には熱中症にも気をつけてください。
いずれも環境に応じた適切なウエアリングをすることが基本です。水分補給も小まめにするようにしましょう
ハンガーノックや脱水症、高山病
ハンガーノック、いわゆるシャリバテに陥ると、本当に体が動かなくなります。エネルギー補給は、しっかりとする必要があります。また、水分補給もこまめにしましょう。
「のどが乾く前に飲む」が原則です。行動食や飲料は、必要充分なものを携帯しましょう。また高山病も要注意です。
かかったと思ったら、標高をすぐに下げてください。
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