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春夏秋冬の季節に応じたマラソンやトレーニングの攻略方法

季節を利用したトレーニング 1.ランニングは誰でも、どこでも、いつでもできます。しかし、それだけに、ただ同じ時刻に、変わらぬ場所を走っているだけでは単調で退屈なランニングになってしまい、本当の走る魅力を味わうことが難しくなってしまいます。

ランニングは昨日とは違った走りを求め、新しい何かを感じることが楽しいものです。そこで、 ここではそれぞれの日や季節をいかに楽しく走るか述べてみましょう。

春夏秋冬がはっきりしているわが国だけに、 自然に触れる俳人のように、走る私たちはそれぞれの季節にふさわしい「走人」になることができます。

走る人は誰よりも早く季節の訪れを感じ、暑くても寒くても、その季節にふさわしい体に順応していくことができるのです。


2.
春は万物が甦る時です。その中を走れば、新しい春をたくさん発見できる楽しさがあります。明るい春光を浴び、梅や桜のつぼみが開花するまでの日々の変化を見ながら走ります。

雪国ならば、久し振りの土の道で足が弾み、春探しのランニングが楽しめます。立ち止まって、花の香りをかぎながら深呼吸やストレッチをすれば、体の中まで春の気が入り、癒されてくることでしょう。

春はオフロードでの走りが楽しいものです。寒風の中を硬い路面で走っていたランナーの筋肉は硬く、 フォームは小さく凝り固まったようになっているはずです。

そこで、公園や林の柔らかい土道や起伏を探してゆっくり走れば、気温の暖かさと足場の柔らかさで筋肉も心もほぐれて、素敵なフォームに戻ってくるのです。

また、春は冬に比べてより長い時間、体を動かしやすい。トレーニングも時間と距離を徐々に増やし、夏に向けてのウォームアップの期間としたい。

だが、春は落とし穴も多い。例えば風邪。季節の変わり目は体調のバランスが崩れやすい。特にこの時季は暖かくなり、日中が長くなるので油断しがちだ。

また、思いのほか直射日光も強い。天気がよいからといって、素肌を日光に長時間さらすのは体によくない。こうした点に気をつけて、この季節の心地よさを満喫しよう。

緑豊かな公園や林間、河川敷、あるいは花見をしながら走るのも最高だ。近くに緑の場所がなければ、自転車や電車に乗って出かければよい。それこそ、遠足の気分でテクテク歩いていくのもよい。 トレーニングにこうした価値を見つけていこう。

緑の中で、ゆっくり、のんびり、長い距離を体がどのように変化するのかを確かめながら走ってみよう。

春の寒い日は冬とほとんど変わらない。体が冷えてしまうのはトレーニングに影響する。5時間台のためのトレーニングをする人にとっては、マイナス要素はできるだけ取り除きたい。春は汗をかくことと同時に保温のことも考えてウェアをそろえたい。

春はマラニックシーズンです。マラニックとはマラソンとピクニックを合わせた走り方で、ナップサックに水と軽食を入れ、野山を走りと歩きを交えながら、ゆっくり長く2時間から半日以上にわたって小さな旅を続けるものです。春と一緒に長く走り続ける楽しさは、やがてフルマラソンを走る心身の成長を促がしていくものです。

3.
夏は暑さとのたたかい。気をつけることは多い。
まず、直射日光と日焼け。帽子ぐらいは着用したい。ウェアはランニングシャツ、Tシャツ、ランニングパンツが基本。

夏場で気温が25度以上になる時に走るのは難しいものですが、 ランニングをすれば汗をかいた皮膚に風が当たり、 さわやかさを感じることができます。鉄板のように熱い路上を離れ、林の木陰の下を走れば涼しさも一杯です。時には500m以上の高地や山を走り歩けば、けわしい起伏の中をたくましく走ることができるものです。

ナイロンの素材は吸収性は悪いが乾きが速く、汗を早く表に出してくれる。綿は吸収性はよいが乾きは遅い。その日の天候によって使い分けることができればベストだ。

次に大切なのが水分の充分な補給。体調の維持が難しい時季だけに、これは特に注意しよう。ジョギング中に発汗する水分の量は、走る前にとっておくのがよい。

身近な走りならば、早朝ランニングも良いでしょう。また、夕方、素足で芝地を走れば体で自然の涼しさが満喫できます。夏こそ自然児に戻る時なのです。

また、夏のクロストレーニングも良いものです。クロストレーニングはランニングだけではなく、 自転車や水泳、山登りといった他のスポーツをとり入れてトレーニングすることです。

ただし、朝は体がまだ目覚めていないのでペースは落とすようにし、ウォームアップは充分に行なうこと。

そしてメインのトレーニングは1日の後半でするように。暑いからといって、クーラーの効いた家の中でごろごろ過ごすのはいただけない。 1日1回は外で汗をかくようにしよう。昼休みに外に出て、軽いストレッチや体操で軽く汗を流そう。

また、夏はどうしても食欲が減退しがち。だからといって、めん類などばかりを食べていると、夏バテしてしまう。栄養に気をつけてバランスのとれた食生活を心がけよう。

雨の日も積極的に走ろう。だが、視界が悪く、道もすべりやすくなっているので、思わぬ事故には充分に気をつける。距離は短めにスピードはやや速めにしてテンポよく。終了後はシャワーで体を温めることを忘れずに。

ジョギングの大敵は水分の欠乏。
極度の脱水状態では危険な状態に陥ることもある。
水分は常に補給を心がけよう。飲みたいときに、飲みたいだけ飲んでよい。水分の補給は、スポーツ飲料がよい。汗と一緒に体から失った塩分やミネラルも同時に補給できるからだ。

4.
稲穂の垂れる畦道を走れば、広がる黄金色が走者の心を豊かにし、夏の暑さを忘れさせる涼しさで体の中から力が湧き、走る時間や距離が延びていきます。秋はランナーにとって最も良い季節です。旬なものを食べるようランニングも旬なときに走ることがふさわしいのです。

秋はジョガーにとって最高の季節。初心者もベテランも、もっとも距離が踏めるシーズンだ。だが、残暑の厳しい日はほとんど真夏と同じ。トレーニングの前のコンディションづくりには充分気をつけておきたい。さわやかな10月は走り込みには最適だ。

いつもの月よりずっとコンスタントに走りやすく、結果として距離も延ばしやすい。ただし、いくら気持ちよく走れると感じても、オーバートレーニングは常に禁物ということを忘れないように。

11月に入ると気候はどんどん変化する。一日の寒暖の変化には気をつけよう。風の強いときや肌寒く感じるようになったときはすぐにウインドブレーカーを着用するなど、ウェアを工夫して保温に気をつけよう。また、トレーニング後はすぐに汗を取り、体を冷やさないように。

秋風に乗って長い走りが楽しくなってくれば、秋から冬にかけてのマラソン大会に参加したくなってきます。走ることで走る力が生まれ、そこから何かに挑戦をしようとする気持ちが湧いてくる過程こそ、秋の深まりによって紅葉する草木と同調した熟走の世界を走者に感じさせてくれるのです。そして、走って絞り込んだ体がスマートに野を走ります。

5.
南の沖縄の那覇マラソン、太平洋側でも冬の陽射しを浴びて走る万を超すマラソンランナー。一方で、北日本と日本海側では雪一色になり、 ランナーは、他の季節以上に走る方法が多種多様になります。

冬のトレーニングは、ウォームアップを長めにとること。走りにくいシーズンなので、距離は短めに。テンポよく始めてテンポよく終了するように。

体が冷えたままスピードを上げると故障を起こしやすいので、この点にも充分に気をつけたい。朝の練習はアップのつもりで軽めに終わらせる。

また、レースは冬に行なわれることが多く、ここぞとばかりにはしごをする人もたくさんいる。レースを楽しむのはおおいに結構だが、その後の体の手入れは念入りにしよう。とにかくふだんからコンディションには気をつける時季だということを忘れずに。それはまた、春を迎える準備でもある。

秋から冬にかけて、気温は下がり続ける。だから、春から夏にかけてのアップと同じ方法では、この時季の気温の変化に充分対応できない。これまでより、意識してていねいにアップを行なおう。

気温の低い冬の朝トレには、充分な準備と装備を持って臨もう。次の点には特に注意。

①準備
布団の中から飛び出していきなりのトレーニングは厳禁。
お茶かコーヒーを飲んで、まず室内で軽くストレッチ、それからスタートしよう。

②装備
保温をメインに考えて。
ウォーマーやウインドブレーカーを着用し、保温と防風対策をして軽い運動から始めよう。


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