目次
マラソン完走のためラップタイムから理想のペースを知る方法
1.フルマラソンを4時間台で走るために…
フルマラソンを3時間台で走ろうとするとスタートからフィニッシュまで同じペース配分をキープしたいです。しかし4時間台で走るならスタートから3kmはウォーミングアップと考えて8分/kmで走り、あとは6分半のペースを維持できれば達成することができます。
そのためにはペース配分を身に着けることが重要になってくる。ペースとは一定距離あたりのスピードのことで、まずはアイテムの力を借りてトレーニング中に少しずつ身体で覚えていく方法がベストです!
歩いた歩数で測る
距離のはっきりしたコースで歩数と距離の関係を調べ、歩数から距離を算出する。1周1~2kmの短いコースの計測に最適。
自動車の距離計で測る
ランニングコースが道路なら、この方法が最も簡単。自転車用の距離計を使えば、動車の走れないコースでも計測可能。
自分で走って測る
競技場など距離のはっきりしたコースで、1km6分ペース、5分ペースなどのペース感覚を身につけ、走ったタイムから距離を算出する。
地図で測る
距離の長いコースを測るのに向いている。幹線道路などは測りやすいが、市街地の入り組んだコースには不向き。
①スポーツウォッチ
スポーツウォッチといっても機能はさまざま。ペース配分を知るためにもっとも便利な機能は常にその時の平均ペースが表示されるタイプ。加速度センサーやGPS機能が付いたものを選べば把握できるでしょう!
②スマホ&アプリ
最近では常にペースを表示できるアプリが多数リリースされている。無料のものも多くあるのでダウンロードして使うことも可能です。持ち運びには腕に巻くタイプや胸に巻くものもあるので要チェック。
③ウェブサイト
ウェブ上にルートを描くと1kmごとに目印が表示されるウェブサイトもある。1kmごとのポイントもわかるので、それぞれのポイントを覚えておけばラップタイムを計測できない通常のウォッチでもペースを把握できる。
④距離がわかる公園やトラック
ランニングコースが設定されている公園なら通常の腕時計さえあれば一定距離の平均スピードやペースがわかる。時計がなくても公園内の時計を見れば一周ごとのタイムは一目瞭然。一般に開放されているトラックは1週400mを基準に計るのも手軽です。
6分30秒/kmでフルマラソンを走るためにはベストタイムはもっと早くあるべきです。
25分/5kmは欲しいです。普段の訓練で42kmを走る機会はそうそうないのが大きな問題です。
慣れないことをするのは負担が大きいうえに、心肺機能の向上などを図るためには5kmを25分ペースづくりで余裕が欲しいところです。しかしそれは簡単ではありません!
トレーニング方法としては寸止めで持久力アップを目指します。寸止めとはキツイペースと楽なペースでのトレーニングを交互に取り入れること。2回に1回少しずつペースを上げていき、苦しくなったら落とすというもの。
これで心肺機能の向上が図れることは間違いなし。
のぼり坂と下り坂
のぼり坂はペースを気にせず自分のペースを保持して呼吸を調整し、体力を消耗しないことがポイント。下り坂についてはペースが自然に上がるので注意!あまり上げ過ぎるとひざへの負担が大きくなるのでペースは抑え気味のほうが痛み対策として効果的です
2.スタートから5キロまでの走り方
人を押しのけて走らないマラソンのスタート地点の並び方には、
①ゼッケン番号順
②目標タイム順
③早く並んだ順
などがあります。最近は目標とするタイムが速いランナーを前の方に並べ、遅いランナーを後ろにする②の方法が増えているようです。
後方に並ばされたランナーにしてみれば、なんとも不公平なスタート方法なのですが、ペースの違うランナーが渾然一体となって走りだす危険を回避するために、この方法を取る大会が増えています。
スタートラインに並ぶと、少しでも前に出たくなりますが、もうそれは諦めましよう。
1人2人押しのけて前に出たところで、タイムにはほとんど影響しません。むしろ、そういったはやる気持ちが、スタート直後のペースを乱すことにつながります。いったん列に並んだら、泰然自若としてスタートを待ちます。
いよいよスタートになったら、ストップウォッチを作動させることを忘れないでください。
目標タイム順の大会では、 いつも後方からのスタートになりますが、ストップウォッチはビストルの音がした時ではなく、自分がスタートラインを通過する時に押すようにしています。
そうしないと、最初の1キロとか5キロを走るのに要したタイムが正確にわからず、ペース感覚が狂ってしまうからです。
もちろんこれだと正式タイムと誤差が生じますが、正式タイムは必ず後で通知されるので、自分で計る必要はありません。ストップウォッチをペース管理に有効に使おうとするなら、やはり自分がスタートラインを通過する時に押した方がいいでしょう。
スタート直後はたいていどの大会でも混雑します。特にゼッケン番号順や早く並んだ順でスタートした場合には、さまざまなレベルのランナーがごちゃ混ぜになっていますから、前が詰まったり後ろから押されたりするのが常識です。
それでなくてもスタート直後はペースをつくるのが難しいのに、こういった状況に巻き込まれると、ますます自分のペースがわからなくなってきます。
オーバーペースは後でひどい目にあいますが、ペースが遅い分には、少しずつ挽回して行くことが可能だからです。
また、小刻みにペースを上げ下げしたり、人込みをかき分けてジグザグに走ったりすると、たとえ予定通りのペースで走れたとしても、必要以上に体力を消耗させてしまい、かえってよくないと考えています。
3.早く走らなければと思い込んで「マラソン」を勘違いしていませんか
マラソンの練習が続かない理由の一つは、「速く走りすぎている」ことです。「え?マラソンって速さを競うことじゃないの?」
そんな声が聞こえてきそうですね。
小中学校の体育の授業や運動会では、いつも速く、精いっぱい走ることが良しとされていますよね。
もちろん「速さを競う」ということも、走る楽しみの一つではあるのですが(オリンピックはその頂点であると言えます)42.195kmという長い距離を走るフルマラソンは「速く走る練習」だけでは絶対に達成できないスポーツなのです。
速く走りすぎてしまう人、これは特に男性に多いのですが、「走りましょう」と言うと、全力で走ってしまうのです。長い距離は走れません。明らかに走るペースが速いのです。
最初から速いペースで追い込んで走ってしまうと、精神的にも肉体的にもつらくなってきてしまいます。次の日「またあのキツいことをしなければならない」と思ってしまうと、よほどの人でない限り、続けることは困難になってしまいます。
ですから、これからマラソン練習を始めようという方は「走る=速く走らなければ」
という思い込みをいったん捨ててください。
まずはゆっくり走ることから始めてみましょう。
4.タイムの貯金は体の借金
フルマラソンのラップで後半にペースを上げていくにはかなりの走力が必要です。だからといって「最初にタイムを貯金しておこう」と思って、前半に目標タイムよりずっと速いペースで走ってしまったら、後半どうなるでしょう。ものすごいツケとなって返ってくるに違いありません。
これは初心者だけに限りません。3時間で走るような速いランナーでも、オーバーペースがたたって後半歩いてしまう人は実はたくさんいるのです。
ですから、フルマラソンにおいては、よほどの走力がない限り、タイムの貯金は、できないとみなしておいてください。マラソン大会では一斉に大勢が走るので、スタート直後は特にテンションが高く、いつもより速いペースで走る人は多いのですが、そのペースに巻き込まれてしまい、目標タイムより速いオーバーペースになると、後半以降、ぱたっと足が動かなくなるのです。
そうならないために、人に惑わされず、同じペースを刻みながらマイペースで走るというのは、フルマラソンでは、実はすごく大切な能力なのです。初心者の方は特に、誰に抜かれようとも我慢し、ゆっくり走ることによって自分のペース「マイペース」というのをつかむ練習を重ねていってください。
ペースを計るには走る場所の距離がわかる必要があります。陸上競技場でなくても、運動公園などのジョギングコースには距離表示がある場所は増えてきました。最近はGPS機能付きの腕時計や、GPSを使ったスマートフォンのアプリも発達してきて、自分の走った距離と時間を簡単に計測できるようになりました。
最初はこれが7分かとか6分はまだちょっとキツいなという感覚で結構です。ゆっくり長く走ることで、自分のペースを体に覚えさせていきましょう。
5.レースで計画通りはレアケース
レース本番は、目標ゴールタイムのイーブンペースから入ります。サブ4なら5分40秒/km、サブ3.5なら4分55秒/km、サブ3なら4分15秒/km から入って徐々にビルドアップしていくのが基本プランです。ビルドアップするとゴールタイムはサブ3なら2時間57から58分と、目標よりも2~3分早まりますが、とくに30km以降、十分にビルドアップするだけの脚が残っていない可能性もありますので、そのロスタイムを勘案するとちょうどいいのです。
多くのランナーはイーブンペース以上の速さで入るので、それに比べれば十分にスロースタートといえます。
その日の体調や天候などの状況次第で机上の計画通りに行かず、所定のペースで入れないこともあります。いや、むしろ計画通りに行くほうがレアケースだと覚悟してください。
周囲のハイペースに同調してしまって速く入り過ぎたり、逆にスタート直後の混雑に巻き込まれて入りが遅くなったりしても、決して慌てる必要はありません。平常心で周りのペースに合わせて走り続けてみましょう。
物事は考え方次第です。速く入り過ぎたら「貯金ができた」と思えばいいだけですし、遅く入り過ぎたら「体力が温存できた」と、くよくよせず柔軟に考えればいいだけなのです。
レース中盤でも同じです。なかなかペースが安定しない場合、地形や風向きを利用してペースを調整していきます。
たとえば、速く入り過ぎたら上り坂でペースを落として、遅く入り過ぎたら下り坂でペースを上げてやればいいのです。同様に向かい風でペースを落とし、追い風でペースを上げるという判断もあります
そもそも初めて参加するレースでは、事前の練習でレース当日の食事や補食をシミュレートするように、コースもシミュレートしておくことは欠かせません。
事前に現場を視察できればいいのですが、なかなかそうもいきません。最低限、大会ホームページに掲載されているコース地図で高低差などをチェック。
いずれにせよ、練習で本番を意識し、本番では平常心でレースを組み立てていきます。一人での練習を日ごろから積んでおけば、レースでは状況に応じて自らペースを修正する能力が身に付いているはずです。
番外編
タイムロスを減らすことで記録更新を狙う
ランナーが悩まされるレース本番のタイムロス。前に進みたくても進めない!そこをなんとか切り抜けられたら…
6.フルマラソンを効率的に!給水編
レースで欠かすことができない給水ポイント付近はいつも混雑しがち。効率よく補給したい。
1、紙コップの飲み口を折る
一点からしか水が流れ出ないのでしっかりと口に入ってくる
2、マイドリンクを持参する
補給所の混雑を回避できる
3、テーブルの奥に注目
手前は混雑しがち。奥は空いていることが多いのでねらい目。
フルマラソンを効率的に!コース編
スタート時や狭いコースにさしかかった時に思い通りに走りたい。
1、混雑時はコース両端がねらい目
センターライン沿いか端を綱渡りする感覚で走ると前に進めることが多いですが、スタミナは余計に消費します。
2、上り坂では森のくまさん
上り坂では森のくまさんを歌いながら走るとリズムもよく気分も紛れて走れる
3、混雑時は同じペースのランナーに付いていく
前半にコースの隙を狙って走るとロスとなることが多いので後半のペースダウンにつながります。ペースが同じランナーについていくイメージでロスをはぶきましょう
オーバーペースを予防できる!
シドニー五輪金メダリストの高橋尚子選手の平常時の心拍数は30~40拍程度と言われています。
これは平均的な女性の心拍数の半分程度。拍数が少ないということはその分、一度に送り出される血液量が増えるため、疲れにくい体であるということです。
心拍数は1分間に心臓が何回拍動するかをカウントしたもので、ランニングなどの有酸素運動でペースが上がると、多くの血液が必要になり心拍数が上がります。
安静時の平均的な心拍数は60~70程度。初心者のランニング時では120~130拍で走ると良いでしょう!無駄な体脂肪が最も燃えやすいペースでもあります。
心拍数が上がり過ぎている場合は体への負担も大きいので、ペースを下げたりして調整します。心拍数は自分に力が付いたか測るものさしであり、平常時とランニング後に測定し、2つの数値が近くなればランニングの効果が出てきているということになります。
反対に数値が離れすぎている場合は無理をせず、ウォーキングに切り替えたりする気持ちも大切です。自分で測ると正確ではない場合もあるので、最近では心拍数を測ってくれる腕時計もあるので、検討してみてもよいでしょう!
ラップタイム早見表
フルマラソンまでの各距離あたりのラップタイムを表示しています。
各距離の時間からどのくらいのペースでいけば目標距離までどれくらいの時間でいけるかが把握できます。この表は下記からダウンロードも可能ですので利用してトレーニングに役立てましょう。
(EXCEL:11KB)
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