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ストレスをなめるな!ランナーにとって良い影響を与えるコツ

楽しみで始めたランニング、楽しいはずのランニングが、時には走るのが嫌になったり、なんだか辛く感じたりすることはありませんか。心が体に及ぼす影響をストレス論から述べてみます。さあ、やる気を出して、 より良いランニングライフを楽しみましょう。

1.ストレスとは
ストレスと聞くと皆さんは、 どの様なイメージを持ちますか。「怒り」「自己嫌悪」「心配」「悲しい」「苦しい」「つらい」などさまざまなマイナスの感情が浮かぶと思います。では、ストレスのない生活は幸せなのでしょうか。

ストレスには、「良いストレス」と「悪いストレス」の2種類あり、実は、「良いストレス」をプラスに使った時、私たちは大きな力を発揮することができます。

良いストレスとは、「~したい」「~しよう」という内発の要求によって生じ、この時にストレスはプラスのエネルギーとして、「チャレンジ」「集中力」「学習」「団結力」「健康」などを生み出します。初心者が走れば走るほどタイムが伸びたり、体重が減ったりするなど、成長を感じる楽しい状態がそれに当たります。

その反対に悪いストレスとは、「~しなければならない」「~してほしい」という外発の要求によって生じます。「3時間を切らなければならない」「痩せるために走らなければならない」「毎日、走らなければならない」など、いわゆるやらされている状態です。

それに加えて、達成する「見通し」が立たないと一層ストレスがのしかかってきます。この時、やる気が無くなってきたり、走るのが辛くなっていくのです。

ストレスが体に及ぼす悪影響
悪いストレスは、万病のもとと言われており、さまざまな病気やケガを引き起こす原因となります。

心と体は、自律神経系で結ばれています。そして、自律神経系には、交感神経と副交感神経があり、シーソーのような関係でバランスを保っています。この神経系がどちらかに偏り過ぎると、自律神経失調症などのストレス病になります。

私たちの体は、脳でストレスを感じるとストレスホルモンが出て、交感神経を刺激します。この交感神経が刺激されすぎると血行不良になり、冷え性、頭痛、貧血、筋緊張(肩こり、腰痛など)、疲労、食欲不振、便秘、不眠などの症状が起こります(ストレスの身体化)。

当然このような状態では、トレーニング効果も上がりませんし、体も消耗しケガにつながります。大きな試合の直前、練習量を落としているのにもかかわらず、ケガをして棄権する選手はこのストレスによる悪影響が原因の1つと考えられます。


ストレスを味方にする
それでは、良いストレスにするにはどうしたら良いのでしようか。まず、ランニングに対しての思いを内発的要求(~したい)にすることです。

具体的には、結果はともあれ「ベストを尽くす」ことが大切です。市民ランナーは、時間が限られており十分な練習ができないことも多いと思います。レースが近づいているのに走り込めないなど不安な要素が多くなってきた時には、できないことをあきらめる勇気も大切です。

できないことを悩むより、できていることを評価して、 さらにできることを工夫することが大切です。マイナス思考では、ストレスがかかってきた時、 よけい悪い方へ考えて、ストレスホルモンが体中に充満して、 ますます不安になるという悪循環になります。

その反対に、できることを考え、少しでも達成できるようになると元気になるホルモンが分泌されます。そのため、 ランニングを通して、できなかったことができるようになったり、 くじけそうな時にそれを乗り越えたりという成功体験を大切にして、マイナスに考えないことが重要です。

実際に遺伝子学からも、 自らのやる気や感謝の気持ちが遺伝子のスイッチをオンにすると言われています。嫌だなと思うことも、「自分の成長のための関門だ」とピンチをチャンスに変えることが、ストレスをプラスに使うコツなのです。

ストレスを解消するここでは、ストレスヘの対処法について述べたいと思います。ストレスを解消するには、副交感神経を刺激することが有効です。以下は、副交感神経を刺激する具体的な方法です。

まず、簡単な方法は、おしゃべり、カラオケ、おいしいものを食べるなど、「口を動かす」ことです。特に、おしゃべりは、話をすることによって自分の考えがまとまったり、相手に受け入れてもらえることによる安心感が生まれるため、非常に有効な手段です。また、笑うことも副交感神経を大きく刺激します。

次に、「体を冷やさない」ことが大切です。特に、手足が冷えると体全体が冷えてきますので、冬場には手袋、ネックウォーマーなどの防寒具が大切になります。また、入浴はゆっくり時間をかけて血管を拡張させることが効果的です。

さらに、食物繊維を積極的に取ることも重要です。食物繊維は、内臓を刺激し、副交感神経の働きを活発にします。楽しみで始めたランニング、楽しいはずのランニングが、時には走るのが嫌になったり、なんだか辛く感じたりすることはありませんか。心が体に及ぼす影響をストレス論から述べてみます。さあ、やる気を出して、 より良いランニングライフを楽しみましょう。


2.ストレスを味方にするためのランナーの心構え
レースに向けて
レースに向けて、 まずすべきことは、 目標を立てることです。具体的な目標を立てることにより、 レースまでに何をしなければならないのかが明確になります。

加えて、大切なことは、その具体的な目標を達成した時に、 どの様な気持ちに満たされるのかに気づくことなのです。周りの人から認められたい、褒められたいのか、それとも、自分自身を成長させたい、認めたいのかを明らかにすることで、本当の心の要求がわかります。

この本当の目標がわかることで無理のないランニング生活へと変わっていくでしょう。

レース直前
レースヘ向けて、100%完璧に準備できるケースはほとんど不可能です。

ほとんどのランナーがレースに向けて不安を持っています。特に、真面目なランナーは走り込み不足など、できなかったことを悩む傾向があります。ここは、60%の準備で良しとして、 きっぱりとできなかったことをあきらめ、できていることを褒めましょう。

また、事前にレース展開のイメージを3通り準備しておくことも重要です。お風呂の中など1人でゆっくりしている時に、調子が良い時、普通の時、悪い時のイメージを描くことでいろいろな状況に対応できるようになるはずです。


レース中
人間の脳は、不安や恐怖があるとストレスホルモンを出し、体を休めようとします。レース中に抜かれたことで突然失速してしまう選手がいますが、この時、体の中では、ストレスホルモンが放出されていると推測されます。

反対に前の選手を追いかけるなど目標をもっている場合は、やる気のホルモンが出てきますので、苦しい中でも頑張れるのです。

もしも、 レース前に立てたプランと異なってきた場合には、不安を抑えるために軌道修正をしましょう。つまり、目標を変えていくのです。

「この調子では、 目標タイムに届かないので、我慢のレースをして○○分以内でゴールしよう」とか「○○地点まで頑張ってみよう」など、 目標を変えながら、決してあきらめないことが大切です。

そして、 ゴールしているイメージを持つようにしましょう。あきらめや絶望感は、体を完全に動かなくさせてしまいます。希望を失わなければ、必ずゴールが待っているのです。


レース後
レースを次につなげるために、レースの意味づけをしましょう。成功したこと、失敗したことなどを日誌に書くことがベストです。その際に、 目標以上に走れていた時は、神様のプレゼントとして過大評価しないことです。

良いイメージだけ残ってしまい、経験が生かされないことが多いからです。逆に、目標より大幅に下回った時は、その目標設定が正しかったのか振り返りましょう。

また、失敗したことを認め、他人や天候などのせいにしないで失敗を受け止めることが大切です。失敗は、次の成功レースのための経験です。失敗を繰り返すことが本当の失敗なのです。

そして、 目標と実行ができるだけ一致するように、 自分をコントロールできるようになることが大切です。


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