ランニング運動がセロトニンを活性化させて脳や精神を正常に保つ
1.セロトニンの効果とはセロトニンは喜びや快楽をコントロールする一方で恐怖や驚きなどの情報もコントロールしており、セロトニンが低下すると、バランスが崩れて、不安やうつなどの精神症状を引き起こしてしまいます。
現代を生き抜く日本人にはセロトニンが大切になってきます。セロトニンの状態を正常にする方法としてランニングが効果的です。
継続することは難しいですが、運動を意志の力で続けるとそのうち仕事になってしまいます。運動は娯楽と考えることにより無理なく続けることが可能です。
年齢を重ねるほど、人はスポーツから遠ざかっていきます。
しかし、運動することで自身の健康を維持することは、私たちの責任ではないでしょうか。健康を医者任せにしてはいけません。運動によって得られる活力は、人々をより生産的かつ幸福にしてくれるのです。
2.運動は心の予防接種
走ればストレスに強くなる
忙しいビジネスパーソンにとって日々の運動を継続するのは難しいかもしれません。運動を意志の力で続けるとそのうち仕事になってしまいます。運動は娯楽と考えることにより無理なく続けることが可能です。
そのためには、ランニングも誰かと一緒に始めることです。
友達でも家族でもいい。「誰かが一緒に運動するのを待っている」と思えば、行動しないわけにはいきません。ほかの人と一緒に行う運動は、ゲーム感覚で参加できます。
人と交わってたくさん笑いながら運動すること。楽しいと感じること。そうした体験を通じてランニングを「習慣化」することが継続への第一歩です。
年齢を重ねるほど、人はスポーツから遠ざかっていきます。
しかし、運動することで自身の健康を維持することは、私たちの責任ではないでしょうか。健康を医者任せにしてはいけません。運動によって得られる活力は、人々をより生産的かつ幸福にしてくれるのです。
3.体を動かす刺激が脳を最高の状態に保つ
なぜかと言えば、体を動かす刺激によって心臓や筋肉の強さを維持し、脳を最高の状態に保つことができるからです。そうでなければ、頭がさびつく恐れもあります。「運動は精神に良い」と言われますが、「精神」と「脳」は同じものと考えることができるでしょう。運動は脳内で発生する化学物質を変化させます。その結果、自信を生み、楽天的になり、苦労や心配事に対する抵抗力が身につくのです。実を言えば、運動とは一種のストレスです。体に負荷をかけなければいけないからです。
ただ、これは良いストレスと言えます。自分の肉体に挑むという負荷をかけなければ、成長もありません。最初は苦しいでしょうが、乗り越えれば徐々に変化が実感できるでしょう。
そうすれば、職場や家庭など実社会でより大きなストレスにさらされた時も、十分に耐えられる脳(精神)が育っています。つまり、運動はストレスに対する「予防接種」とも言えるのです。とは言っても、なかなか運動のための時間を取るのが難しい人も多いでしょう。そのために、脳に刺激を与えながらランニングができる短時集中トレーニングを紹介しましょう。
まずはランニングマシンの傾斜を6~9%ほどに設定します(2分間はウォームアップのために適度なスピードで歩きます。)
次に加速して、時速11.5~14.5kmで走ります。30秒走ったらまた2分間歩く。これを5~7回ほど繰り返してください。
こうした低負荷と高負荷を織り交ぜたランニングは、1時間のゆっくりしたペースでの運動よりも脳に良い刺激を与えることができます。
そして、マラソンなどに向けた上級者は週に4~5回ほど、1回当たり最低でも30分は走る必要があります。これはランニングマシンではなく、高低差がある道を実際に走ることをお勧めします。
ここで注目するのは心拍数です。自分の最大心拍数の75~80%を目安に走るといいでしょう。最大心拍数の目安は、220から年齢を引いた数値です。
4.相手の心を読む交渉力が向上
セロトニンで「社会脳」を磨くランニングは昔からある健康法で、肥満対策やエアロビクス的な発想で走っていた人は多かったと思います。研究しているのはこれとは違う走り方で、セロトニン神経を活性化する走り方です。
今、ランニングをするビジネスパーソンが多いのは、走っていると何とも言えない爽快感を感じるからでしょう。
それは、ひたすら走るとセロトニンが活性化される状態になり、集中力や意欲が高まるからです。出勤前に走れば、とても良い状態で仕事に臨めます。
さらに、相手の気持ちがよく分かるようにもなります。
走ると脳の前頭前野と呼ばれる部分の血流が増え活性化されます。この部分は「社会脳」と言われ、社会生活をするのに必要な脳機能がある部分です。
相手の本音を読み取れる駆け引き上手に
前頭前野は共感する脳でもあり、人間で一番発達した脳です。この前頭前野が事故で壊されても、歩けるし、話もできる。基本的な人間の営みには異常は出ません。ところが社会生活はできなくなります。集中できない、意欲が失せる、行き当たりばったりで計画性がないという状態です。何より相手の気持ちが読めなくなります。相手の気持ちを理解するには、言葉が重要だと考える人が多いでしょうが、我々は言葉を使わないコミュニケーションも絶えず行っています。言語を使わなくても他者の心の状態を読み取る能力が私たちにはあり、それを行っているのが共感に関係する脳である前頭前野なのです。
ビジネスでは駆け引きが必要になります。口ではこう言っているけれども、本音はこうに違いないと推し量る能力です。その際必要なのは、言葉によらないコミュニケーション能力で、それがうまい人は交渉上手で有能だと言われます。
反対に、前頭前野を活性化させないと、うつに近い状態になります。意欲も集中力も落ち、他者とのコミュニケーションを厭わしいと感じます。いわゆる引きこもりのような状態です。
これではビジネスがうまくいかないどころか、社会人としての生活もできません。
セロトニン神経は脳幹という脳の根っこのところにあり、ここを活性化すると、セロトニンという神経伝達物質が増えます。
セロトニンは次のように5つの働きをします。
1つ目にクールな覚醒状態をつくります。かっかとせず、落ち着いた状態です。
2つ目に平常心を維持します。心にバランスが出て、舞い上がったりストレスで落ち込んだりした状態を元に戻してくれます。
3つ目に自律神経が体を動かすのに適した状態を作ってくれます。心臓の働きや代謝が上がり、興奮した状態であれば元の状態に戻してくれます。
4つ目に姿勢を良くしてくれます。体の芯にある筋肉の緊張を上げ、背筋をびしっと伸ばして、はつらつとして若々しく、元気な状態を作ってくれます。
5つ目に痛みを和らげます。セロトニン神経が弱ると、痛いという情報が脳に行って不定愁訴的な全身の痛みが出てきてしまうのですが、こういったほとんど原因のない痛みを抑えてくれます。
5.疲れを感じる前に走るのをやめるのがコツ
セロトニンを活性化する走り方で大事なのは、疲れないように走ることです。心拍数だと120くらい、中程度の負荷です。息が上がっても苦しくない程度の心地よい走り方です。セロトニン活性によって心地よさが出るのは、走り始めてから最低5分、良い状態になるのは10分から15分です。その後はいつやめてもいいです。ちょっと疲れが出てきたところでやめるのがいいですね。
よくランナーズハイと言われますが、これはエンドルフィンという脳内物質が出ている状態です。これが出るのはセロトニン活性とは違う走り方です。毎日続ける走り方としては向いていないでしょう。
現代社会は、セロトニン神経が弱る方向に行っています。運動をせず、昼夜逆転の生活になっている人も多い。うつやパニック障害などの症状が出る人が増えているのは、経済的な不安などを抱えているのと同時に、セロトニン神経も弱っているからでしょう。ランニングをするなど、生活習慣を変えることだけでもそういった症状は改善できます。脳はそのようにできているのですから。
この記事を見た人は、下記にも注目しています!