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貧血で疲労が蓄積したりパフォーマンスが低下するので食事で予防

1.ランニング中に息切れやめまいがしたり、集中力がないなどの症状があったり、日常生活の中でも疲労が抜けない、意欲がないなどと感じることがあれば、貧血症の疑いがあります。

貧血症は、骨髄での造血作用の不全や着地の反復による血球の破壊、食事からの鉄分の摂取不足、大量のエネルギー消費による鉄分の利用の増加などが原因で起こります。

体内の鉄分の状態は、血液中のヘモグロビン(Hb)とフェリチンの濃度から把握することができます。貧血症は、血液中の赤血球数とヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値が正常より低下した状態です。

WHOは貧血症の判定基準値となるヘモグロビン濃度を成人男性:13g/dl未満、成人女性:12g/dl未満、高齢者・妊婦:11g/dl未満としています。

鉄分は血液を介して酸素を筋肉まで運搬する働きをしていますから、鉄分の不足は酸素運搬能力を低下させ、筋肉におけるエネルギーの産生に支障をきたすことになります。

したがって、大量のエネルギーを必要とする持久系のスポーツでは、パフォーマンスの低下や疲労の蓄積を招きます。

2.貧血症予防のための食事
タンパク質の中でも特に動物性のタンパク質の比率を高くすることで循環ヘモグロビン濃度が高くなります。

鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、ヘム鉄は非ヘム鉄と比較して内臓における消化吸収率が高く、 レバーやカツオ、マグロなどの動物性の食品に多く含まれています。

一方、非ヘム鉄はほうれん草やひじきなど、野菜や海草に多く含まれます。摂取しても内臓における消化吸収率が高くないため、疲労が大きく、胃腸などの内臓機能の働きが低下している場合には消化吸収率が低下します。

このような場合には、吸収を促進する成分と組み合わせるようにします。柑橘系のオレンジやグレープフルーツ、いちごやキウイなどの果物、ブロッコリーやじゃがいもなどの野菜に含まれるビタミンCは、非ヘム鉄の吸収率を高めます。

献立作成の際に鉄分の多い食品と組み合わせたり、食後に果物を摂ることにより、鉄分の吸収を促進することができます。

亜鉛などのミネラル不足も貧血症の発症に関係すると考えられます。亜鉛は、成長ホルモンや男性ホルモンなどのホルモンや組織の合成に影響し、不足すると味盲や男性では精力減退の原因にもなります。

牡蠣は他の食品と比較して1食分(小2個70g)の亜鉛含有量の多い(28mg)食品であり、 またグリコーゲンや他のミネラルも豊富に含まれています。しかし、生食で多量に摂ると中毒を起こすため、摂取には注意が必要です。


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