目次
無酸素運動は乳酸がたまるので有酸素運動で長く走ろう
1.有酸素運動の意味を知ろう有酸素運動、無酸素運動とは?
「ダイエットのためには、運動するのがなにより」とはよく耳にする言葉だが、実は運動には大きく分けて2種類ある。
ここでは、それぞれの特徴を理解しよう。
一つは100m走や走り幅跳びなどの運動に代表される「無酸素運動」。短時間で大きなエネルギーを生み出すことができる反面、大量に乳酸を発生させる。
100m走を走るスピードでフルマラソンを走れないことでもわかるように、長時間無酸素運動を継続することはできない。
もう一つの「有酸素運動」は、血液や筋肉などの中にあるグリコーゲンが、酸素と結びついて運動のエネルギーとなる運動のことで、負荷が低く、長時間継続できるという特長があり、ランニングなどはまさに有酸素運動の代表的スポーツといえる。
しかし、ランニングをしているときには常に有酸素運動状態にあるかというと、実はそうではない。
オーバーペースなどで自分の心肺能力以上にスピードが上がり過ぎると呼吸が浅くなってしまう。そのためランニング中であっても体は無酸素運動状態になり、筋肉に乳酸がたまって長い距離を走れなくなってしまうのだ。
そこで重要になってくるのが、ランニング中、いかに有酸素運動状態を継続できるかという点だ。
一番大切なことは自分のペースをしっかり守ることだが、レースともなればきつい上り坂などもあり、自分のペースを守っていても呼吸が浅くなってしまう場合もある。そうしたときに覚えておきたいのが「呼吸のコツ」だ。
水泳の経験がある人ならわかるかもしれないが、水泳の息つぎのときに、効率よく酸素を取り込むためには、実は水中でしっかり息を吐き切ることがポイントとなる。
ランニングもこれと同じで、息を吸うことよりもむしろ息を吐くことに意識を向けてみよう。そして、酸素を多く取り込める腹式呼吸を行うように意識したい。
2.スポーツと疲労の処理方法
疲労を蓄積させない!
ウェイトトレーニングやジョギング、 エアロビクスなどの トレーニングをしたあとは、体がストレスを受けて疲れを感じます。 あまり疲れ過ぎてしまうと、せっかくのトレーニングが逆効果になってしまいますし、 全然疲れないのも効果に疑問があります。 トレーニングのあとは充分な栄養と睡眠をとり、 疲れを持ち越さないようにすることが大切です。少しずつ疲労が蓄積してコンディションを崩すことにもなりかねません。
トレーニングの流れ
トレーニング→疲労→休養(栄養・睡眠)→疲労回復→トレーニング
繰り返しをすることで、 体に適応能力がつき、 体力がだんだん強くなっていきます。しかし、イヤイヤ、トレーニングに参加したり、悩みごとがあったりすれば疲れは倍増し、いつまでも疲労感が残ってしまいます。
生理的なもののほかに、精神的な要素も大きく作用していることを忘れてはなりません!
筋肉疲労と乳酸
筋肉疲労はどうしておきるのでしょうか?
発生のメカニズムは、グリコーゲンやブドウ糖がエネルギーになるときにつくられる乳酸が蓄積するからだといわれています。乳酸がたまると筋肉は酸性に傾き、酵素群の活性が弱くなり、エネルギーづくりができなくなってしまいます。
酵素群は中性から弱アルカリ性で活性化される性質がありますのでエネルギーづくりにこのPHが非常に敏感に作用しています。さらに乳酸の一部は毛細血管に入り、血液を酸性にします
このように筋肉の酸性化は、筋肉の収縮運動をとめてしまいます。
乳酸を処理するにはどうするか
乳酸が蓄積され筋肉運動が停止しては大変です。 1日に2回も試合がある場合は、できるだけ早く乳酸を処理しなくてはなりません。
酸性に傾いた筋肉と血液のPHを正常にもどし、筋肉はもちろん全身の組織の代謝を正常にしなければなりません。 激しい運動をしたあとは、すぐに休まずに必ず軽いジョギングをして血液の循環を高めに保ちながら、
乳酸の処理をはやめることが必要です。そのためにはビタミンB、B2、B6、パントテン酸などのビタミンが必要です。
3.乳酸性作業闘値を知ることが成功につながる
ゆっくりしたスピードで走っていれば乳酸は安静時とほぼ同等ですが、少しずつスピードを上げていくと、あるところから乳酸が急増し始めます。この乳酸が上昇し始めるスピードを乳酸性作業閾値(LT)と呼びます。LTは最大酸素摂取量と密接な関係があり、LTが最大酸素摂取量を反映しています。
ランニングでは糖(グリコーゲンまたはグルコース)や脂肪を酸化して水と炭酸ガスに分解する過程で多くのエネルギーを得ています。したがってランニングは有酸素運動と言います。
ところで糖はピルビン酸を経て酸化されるのですが、スピードが速くなり、糖の分解速度がピルビン酸の酸化速度をこえてしまうとピルビン酸が乳酸に還元されます。
糖がピルビン酸まで分解される過程で若干ATPを再合成するエネルギーを得ることができるのですが、 この時には、乳酸がたまってしまう現象が起こるのです。
乳酸がたまるということは糖の分解が増している証拠です。ですからスピードが上がれば上がるほど糖の分解が加速することになります。
実際、糖と脂肪のエネルギー貢献度を調べてみますと、LTに相当するスピードまではスピードに関係なく糖で70%弱、脂肪で30%強のエネルギーがまかなわれています。
ところが乳酸がたまりだすとそれに応じて糖でまかなわれる割合が増し、脂肪のエネルギー貢献度が減っていきます。
言い換えれば糖を節約して走れるスピードが速い人ほどマラソンを速く走れることになります。マラソンのような長時間の運動では、疲労困ぱい状態の時に筋中のグリコーゲンが枯渇していることが知られています。
ですからフルマラソンではグリコーゲンを節約して走ることが大事ですので、LT近辺のペースを守れば、フルマラソンを完走でき、しかも良い記録で走れるとの仮説が成り立ちます。
逆にスタート直後はLTをこえるスピードで走っても楽に走れるからといって、前半のうちに稼いでおこうとするとグリコーゲンを多く消耗してしまいますので、後半の失速につながりかねません。
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