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マラソンは7割メンタル勝負なので4つの強化術を紹介

息の長い選手は皆メンタルが強い
どんなスポーツでも「心」「技」「体」が大切だといわれます。フォームや練習法について細かく指摘していますが、マラソンというスポーツのパフォーマンスにおいては、メンタルも大変重要です。

マラソンのパフォーマンスに占めるメンタルとフィジカルの割合は「7対3」くらいだと思います。つまりマラソンは7割がメンタルの勝負なのです。

マラソンは競技時間が長いスポーツだからこそ、どんなにフィジカルが強靭でも、途中でメンタルが折れてしまったら、そこでお仕舞いです。

筋肉に命令して動かしているのは「脳」。『新約聖書』によると、イエスは荒れ野でサタン(悪魔)から誘惑を40日間も受け続け、それに打ち勝ったそうです。

マラソンランナーも走っている間、脳からの悪魔のささやきに誘惑されます。「ここでやめればラクになるぞ」「ツライならペースを落としてしまえ」こんな誘惑を振り払うには、強いメンタルが必要です。

息の長い競技生活を送っているマラソンランナーは、メンタルが強いタイプばかりです。

才能があって子どものころから長距離走が速かったような天才肌のランナーは、早々に現役を引退するケースが少なくありません。その多くは体力的な限界よりも精神的な限界に達したことが引き金になっていると思います。

他の選手より才能に恵まれているランナーは、練習でメンタルを鍛えるチャンスが限られているのでしょう。

逆に決して才能に恵まれているわけではないランナーは、自分より速い人を追い抜く練習をする過程で必然的にメンタルも鍛えられますから、息が長い競技生活を送ります。


4つのメンタル強化術
メンタル強化術①
キツイ練習をランクラに頼り過ぎない

日本でも都市部を中心に「ランニングクラブ(ランクラ)」の練習会に参加してトレーニングを積む市民ランナーが増えました。

ランクラに入るメリットはたくさんあります。自分と同じくらいの走力のランナーと競ったり、自分より速いランナーに練習を引っ張ってもらったりすることができます。

さらに他のランナーを観察していいところをとり入れたり、レースや練習法、シューズなどのギアに関する情報なども交換できたりします。

なにより、一人だけで練習するよりモチベーションを維持しやすいということがあります。

一方、あえていうならば、ランクラの練習会に頼り過ぎないということも大切な視点だと思います。マラソンは基本的に一人で走るものだからです。

ランクラに入るとインターバル走やビルドアップ走などのポイント(強化)練習は、ランクラの練習会で行うことが多くなります。

なかには複数のランクラを渡り歩く強者もいるようですが、一緒に走る仲間がいないと頑張れないクセがついてしまい、実戦的な走カアップにつながらないケースもあります。

ランクラの練習会で鍛えられて自己ベストを更新するランナーは少なくありません。しかし、そのようなランナーはランクラに依存して他力本願に陥らず、個人練習とランクラの練習会のいいとこどりで走力のアップを果たしているものです。

一人で練習していると、「今日はインターバル走だけど、やりたいくないな……」と思うときが必ずあります。毎回そう思う人がいても不思議ではありません。

明らかに体調不良が原因なら休んだほうがいいのですが、大半はメンタルの弱さからくるものです。その証拠にいざ走り出してみると、案外ペースが上げられるものなのです。

やりたくないと思ったときでも、やると決めたらとりあえずやってみる。練習をこなすための練習になって質がともなわないのでは本末転倒ですが、その半面、事前に決めた練習をきちんとこなすことによるメンタル強化の効果は計り知れません。

マラソンは7割がメンタルのスポーツ。後悔しないためにも、気が乗らなくても、「まずは着替えて練習のスタートラインに立ってみよう」と思ってください。


メンタル強化術②
一人練でレース後半の粘りがつく

市民ランナーがメンタルを鍛えるためには、30kmのベース走のようにレースを想定した練習についてはあえて一人でやる機会を設けるのがベストでしょう。

一人で走っていると疲労や体調の変化に敏感になります。自分のカラダと対話しながら、状況に応じてレースを柔軟に組み立てていく力が自然と養われてきます。

集団練習で仲間の力を借りながら走っていると、たとえ基礎的な走力が上がったとしても、カラダとの対話がなくなりがち。ペースの調整やレースの組み立てといった応用力が向上しにくいのです。

「練習では強いのに本番では弱い」というタイプは、間違いなくメンタル面に問題があります。そういう自覚が少しでもあるのなら、一人練の機会を増やしたり、一人練への臨み方を見直したりするべきです。

メンタル強化術③
決めた練習は最後までやり切る

強いメンタルを作り上げるのは、結局のところ日ごろの練習の積み重ねでしかありません。

アテネオリンピックの女子マラソンで金メダルを獲得した野口みずき選手の「練習は裏切らない」という言葉は、長い距離を踏めば踏むほど本番でも速くなれるという距離信仰の表れだと誤解されていますが、そこには「練習で鍛え上げたメンタルがレースで生きてくる」という意味合いが強く込められていると思います。

30kmの壁と呼ばれるレース後半の失速ですが、これは体内に貯蔵されている糖質(グリコーゲン)の涸渇が始まることで起こるとされています。でも、そこにはメンタルも大きく関わっていると考えています。

グリコーゲンの残りが少なくなってくると、脳は「こんなツライことはもうやめなさい」という命令を出します。

その命令に逆らって「まだまだ行ける」と奮起できるかどうかが勝負の分かれ目。

そこでメンタルが折れて「もうダメだ」と思った瞬間、ズルズルと減速してタイムはガタ落ちになります。実際、サブ3.5やサブ3レベルの中・上級ランナーでも、後半で減速することはおろか、メンタルが折れて歩いてしまっている姿をレース本番で少なからず見かけます。

強いメンタルを築くためには、事前に決めた練習内容を最後までやり切ること。

質の高い練習をするためには、事前に決めたプログラムであっても、調子が乗らなければ途中で切り上げることも必要だと指導するランニングコーチもいます。たしかにそうだとは思います。

もちろんケガや故障をしているときの無理は禁物ですが、疲労などでコンディションがイマイチくらいなら、悪いなら悪いなりに練習を最後までやり切るほうがいいと思います。

なぜなら、マラソンはメンタルが7割のスポーツだからです。その積み重ねによる経験値が、レースで折れない強いメンタルを作ってくれるのです。

たとえば、30kmのペース走をすると決めたら、途中でキツくなって設定タイムが守れなくなっても最後まで走り切る。あるいは3時間のLSDの途中でツラくなったら、途中で歩いても構わないので3時間は動き続ける。

こういう根性論は前近代的なものとして否定されがちですが、メンタルが7割というマラソンの運動特性からすると、決して根性論は否定されるべきものではないと思うのです。


メンタル強化術④
恵まれた環境下でばかり練習しない

恵まれた暮らしをしているとハングリー精神がなくなってきますが、フルマラソンを走り切るためには目標達成への強い意志を持って物事に取り組むハングリー精神が欠かせないと思います。

単純な根性論に聞こえるかもしれませんが、メンタルがマラソンのパフォーマンスの7割を左右するなら、根性論も必要になってきます。

日常生活であえて過酷な状況を作るような真似は不要ですが、練習のときくらいは我慢できるところは我慢してみてください。

四季に恵まれている日本では気象条件はつねに変化しています。年がら年中走りやすい環境ではありませんが、悪天候でもくじけてはいけません。

レース当日だってどんな気象条件に見舞われるかわからないのです。よほどのことがない限り、天気が悪いからという理由でレースは中止になったりしません。

風が強い日、が降っている日、ブルブルと震えるくらい寒い日……。どんな天候でも「これで風が強い日のレースのシミュレーションができる」くらいに思って走ればいいだけです。

熱中症(脱水症)になるからと、暑い日の練習を避けるランナーもいます。たしかに熱中症予防の観点は大切ですが、一方で季節外れの暑さに見舞われるレースだってあります。

毎年夏(8月下旬~9月初旬)に開催される「北海道マラソン」。夏季には少ないフルマラソンで市民ランナーに人気ですが、北の大地で開催される大会とはいえ、レース中に気温30度に達する年もあります。

当日、朝起きて気温が高かったからといって棄権するわけにはいかないので、キャップやサンバイザーにサングラス、ウエストポーチにスポーツドリンクや塩飴を入れるなど熱中症対策を万全にして、暑さをモノともせずに走る練習を普段からしておいてほしいと思います。


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