目次

スポーツマッサージにある4つの効果やもみ方などのテクニック

スポーツマッサージの5W1H
「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」?
スポーツマッサージには、「疲労回復」「身体調整」「ケガの予防」「リラクゼーション」といった効果がありますが、これらを享受するためには基本的なルールがあります。このルールを、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」? といった5W1Hに則って説明しましょう。

いつ
最も効果的とされるのが入浴後です。皮層の代謝や血行がよくなっているため、老廃物の除去が促進され、疲労回復に一番のタイミングといえるでしょう。また、身体調整という意味では競技の直前に行うことで筋肉を温めるウォームアップ効果が期待されます。


どこで
マッサージは薄着になって行うことが多いため、暑すぎたり寒すぎたりしない場所、温度・湿度調節ができる部屋などで行うことが望ましいとされています。身体調整として行う場合も、選手が不快にならないような場所、競技に差し支えない場所を選ぶようにしましょう。


誰が
基本的には、マッサージができる国家資格(あん摩マッサージ指圧師、柔道整復士、鍼灸師)を有する者が行うべきですが、身近にいない場合も少なくありません。そうした場合は、「マッサージする人」「マッサージされる人」が互いに、その行為を認め、禁忌事項、手順を理解したうえで行うことをお勧めします。


何を
「疲労回復」や「身体調整」は、スポーツパフォーマンスを向上させるために欠かせない要素でもあります。では、身体の何がどうなったら、それが可能になるのでしょうか? まず身体が動くためには、動作をつくり出す関節が正常な範囲内でしっかり動いてくれなければなりません。次に、関節を動かす骨格筋が、思い通りに収縮・弛緩を行う必要があります。つまり、マッサージの究極の目的は、「筋肉や関節の状態」をよくすることにあるのです。


どのように
マッサージというと、まず「もむ」ことを想像します。しかし、選手のあらゆる状況に対応するため、それ以外にもいくつかのテクニックが用いられます。例えば、「もむ」という行為ひとつとってみても、手のひらを使うのか親指の腹を使うのかで方法が異なります。また、もむ以外にもさすったり、圧迫したり、叩いたりする方法などがあり、そうした方法は、目的や選手の身体状況に応じて選択されるのです。


スポーツマッサージの目的と効果
①疲労回復
激しいトレーニングによって筋肉、腱、関節は疲労します。そのままにしておくと、思い通りに動かないばかりか、自分の力を十分に発揮できなくなってしまいます。マッサージには、これを改善し、回復に向かわせる効果があります。


②身体調整
スポーツでは「コンディショニング」と呼ばれるもので、よりよいパフォーマンスを発揮するために、身体を最適な状態に整えることをいいます。運動前には、マッサージによって刺激を与え、筋肉を温めたり興奮させたりすることもできます。


③けがの再発予防
ケガをした筋肉や関節は弱くなりやすく、大きな力が加わらなくても再発する可能性が高まります。マッサージによって、筋肉のしこりや関節のこわばりを取り除き、よい状態を保つことで、ケガをしにくい身体にすることができます。


④リラクゼーション
大会の前や、必ず結果を残さないといけない試合の前には緊張するものです。ただ、過度に緊張してしまうと思うような動きを妨げてしまいます。リラクゼーション効果のあるマッサージによって精神的な落ち着きを取り戻すこともできるのです。


NG
けがの食後
ケガの直後は腫れや炎症があり、悪化させてしまう恐れがあるので厳禁!

熱がある
マッサージによって、さらに熱を高めてしまう恐れがある。

強い痛みがある
まだ炎症を起こしている可能性があるので、基本的には行わない

飲酒
飲酒は血管を膨張させるため、マッサージが強い刺激になりやすく、傷害部位を悪化させることがある。



スポーツマッサージの基本テクニック
「軽くさする」「もむ」「押す」の3技法
スポーツマッサージには、いくつかの手技(テクニック)があり、さらに手のどの部位を使ってマッサージするかによって、方法が細分化されています。基本的には、マッサージする部位の大きさや、どんな刺激を与えるかによって選択されますが、「軽くさする」「もむ」「押す」の3つの方法を覚えることによって、大半に対応できるようになっています。


①軽擦法(軽くさする)
マッサージの最も基本的なテクニックとして知られ、対象部位によって、「手掌(手のひら)」「手根(手の根元)」「四指(親指以外の4本の指)」などの部位を使います。マッサージの最初に軽くさすることで、筋肉の張りをとったり緊張をゆるめたりし、最後に行うことでもみほぐした筋肉を落ち着かせます。


②揉捏法(もむ)
マッサージの方法として最もポピュラーなのが、肩をもんだり、自分で腕や太ももをつかんでもんだりするときの「もむ」テクニック(揉捏法)です。「手掌」「手根」「四指」といった部位に加えて、「母指(親指)」や「二指(親指と人差し指)」など、細かな部分に対応した部位が追加されます。


③圧迫法(押す)
筋肉を押していく圧迫法は、最も力を要するテクニックといってもよいでしょう。ただ、筋肉に対して垂直に力が加わるぶん、逆に筋肉を傷めてしまうおそれがあるため、マッサージを受ける人とのコミュニケーションを図りながら最適な力で圧迫できるようにしましょう。


スポーツマッサージの応用テクニック
「強くさする」「叩く」「振るわせる」「伸ばす」「動かす」の5技法
スポーツマッサージには3つの基本テクニックに加え、5つの応用テクニックがあります。5つとは、「強くさする」「叩く」「振るわせる」「伸ばす」「動かす」で、「さする」「もむ」「押す」とあわせて筋肉にいろいろな刺激を与えることができます。

応用テクニックには、行う部位が限定されるものもあります。例えば、腕に対して行う振戦法には、牽引振戦法、きりもみ振戦法があり、行う部位の大きさに加えて、関節や動かし方の特徴を考慮した内容となっています。

①強擦法(強くさする)
親指を垂直に押しあて、対象部位にねじ込むように動かします。強い力でさすることで、関節にたまった老廃物を血中に排出させる働きがあります。ねんざの腫れやしこりをほぐし、組織へのゆ着をはがすために行う屋根瓦状強擦などがあります。

②叩打法(叩く)
手のいろいろな部分を使ってリズミカルに叩いていく方法です。拳の甲の部分で叩く「手拳打法」、手を少し丸めて叩く「拍打法」、両手を少し丸めて合わせ甲の部分で叩く「圧縮気打法」、手刀で叩く「切打法」、手を合わせて叩く「合掌打法」とバリエーション豊かなテクニックがあり、部位や目的にあった適切な刺激が与えられます。

③振戦法(振るわせる)
小刻みに振るわせて振動を与えます。リズミカルに振るわせることで、神経系の機能を高め、興奮させる効果もあります。腕を引っ張って振るわせる「牽引振戦法」や、両手で腕を挟んで錐をまわすようにして振るわせる「きりもみ振戦法」があります。主に腕に対して行われます。

④伸展法(伸ばす)
伸展法は筋肉を伸ばすストレッチ法のことで、2人で行うことからパートナーストレッチともいわれます。マッサージの最後に行うことで、筋肉や腱の緊張緩和や血行の促進効果をもたらします。無理のない程度にゆっくり伸ばし、10~30秒間ほど静止します。股関節や大腿の筋肉の状態を把握するテスト法としても使われます。

⑤運動法(動かす)
運動法は、身体の特定部位を一定方向に動かすテクニックのことで、肩甲骨まわりや大腿後部および股関節に対して行われます。一定方向に繰り返し動かすことで筋肉の伸縮が繰り返され、筋肉が活性化されます。


使用する道具とマッサージを行うときのマナー
スポーツマッサージを行うときに、あると便利な道具を紹介します。ベッド、タオル、滑剤の3つは、かたわらに準備しておくとよいでしょう。また、「マッサージを受ける人」「行う人」には、それぞれに最低限のマナーがあります。これを守って快適な時間をすごしましょう。

ベッド
身体のいろいろな部位をマッサージするため、高さ調整付ベッドがあると便利です。ベッドの代わりに肘掛けのないソファー、床で行う場合はストレッチマットなども使用できますが、あまりクッション性が高いと、圧迫した際に力が分散してしまうので注意してください。

タオル
汗や滑剤を拭き取るだけでなく、丸めて膝や足首の下に敷くことで大腿や下腿の筋肉の緊張をとってマッサージしやすくすることができます。さらには、上半身をマッサージする場合は下半身にかけたり、皮膚の刺激をやわらげるために患部にタオルをあてて行う場合もあります。 手拭きタオルよりも大きめのバスタオルを2、3枚準備しておくと重宝します。

滑剤
肌と手のひらの間の摩擦を減らすために滑剤を用いることがあります。滑剤には、パウダーとオイルがあり、用途や好みによって使い分けてください。べたつきが苦手な人はパウダーを、背中や大腿などの広範囲の部位との密着性を高めたい人はオイルを使用するとよいでしょう。また、消炎効果のある軟膏やジェルを使うと、炎症を取り除くプラスアルファの効果を期待できます。

マッサージを受ける人
身体を清潔にする
必要以上にゴシゴシ身体を洗わなくてもよいのですが、最低限のマナーとして汗をふき取り、汚れがある場合は軽く洗い流しておきましょう。 最近では、携帯用のウェットティッシュなどの商品も多数あるので、あらかじめ準備しておくのもよいでしょう。

食後60~90分を経過する
食後すぐの段階では胃の消化が進み、血液が胃に集中します。マッサージの効果には血液循環をよくし、疲労物質や痛みの物質を速やかに除去することがあげられるので、血液循環がよくない状態で行うのは不効率となります。また食べたばかりでは満腹のため、腹部や背中、腰のマッサージでは圧迫感を受けて気分が悪くなるおそれがあります。

用便を済ませる
マッサージにかける時間は、各部位ごとに5~15分、全身にすると30~45分程度行い、この間はなるべく継続して行います。腰や背中を押す場合は、腸や膀胱を間接的に圧迫することになり、用便をもよおしやすくなるため、あらかじめ済ませておくのがマナーです。

皮膚に炎症や病気がない
当然ですが、皮膚に炎症や病気、ケガがあるときは、患部にマッサージを行うと悪化させる可能性があります。また皮膚に感染症がある場合は、マッサージを行う人に感染する場合もあります。もし、皮膚に炎症や病気がある場合は、あらかじめ告げ、注意をうながします。


マッサージを行う人
手・指を清潔にする
マッサージは人の肌に触れる行為ですので、手や指を清潔にしておくことは最低限のマナーです。また、「マッサージを受ける人」と同じように、手や指にケガや感染症がある場合は行わないようにしましょう。

爪のケアをする
爪が伸びていたり、欠けて皮層を傷つけるおそれがあるときは、処理をしてから行うようにします。特に、皮層の薄い頭や首、腹や脛などは傷つきやすいため、爪のケアとともに細心の注意を払って行うようにしましょう。

指輪やアクセサリーなどをはずす
指輪やアクセサリーは皮膚を傷つけるおそれがあるので、マッサージを行う際には外します。腕時計なども、手を滑らす際に肌にひっかけて傷つけるおそれがあるので、外しておくのが無難です。

体調が悪くない
カゼなどで体調を崩している場合は悪化させる可能性があるため、なるべくは行わないようにします。また、体調が悪い状態では、力の入れ具合や微妙な調整ができなくなるため、身体調整を目的とする場合には、十分な効果を得られないことがあります。

スポーツマッサージの効果的な実践方法
若いうちは治癒能力が高いので、少しくらいの疲労なら放っておいても自然に消えてしまいます。 でも、30歳を超えると回復に時間がかかるようになってくるので外からの刺激を加えてあげる必要が出てきます。 そんなときにスポーツマッサージはオススメです。

そもそもスポーツマッサージは、どのタイミングでかかるのが一番効果的なのでしょうか。 レース当日、翌日、それ以降でマッサージの内容は異なります。レース当日なら溜まった乳酸を排出する施術、翌日なら筋肉痛を軽減する施術で、これらは時間はかかるにしても、いずれ自然に消えていく症状です。

それに対して、2日目以降に残っている症状は、レースによって生じたダメージであることが多く、これを狙ってマッサージすることで、競技への早期復帰が可能になるのです。同じマッサージを受けるなら、つまり、レースの2~3日後が最も効率的ということになります。 レースはたいてい日曜日なので、火曜か水曜がベストということです。

あと、スポーツマッサージは、施術そのものが痛いという印象がある。 時間に制限がなければやさしいマッサージでも効果はありますが、短時間で効果を出すとなると、多少の痛みを伴うこともあります。とはいえ、我慢するだけのマッサージでは意味がないので、適度な痛みで折り合いを付けるべき。逆に痛いと言っても力を緩めない施術者は避けたほうがいいです。 スポーツマッサージの痛みは、心地よきと紙一重なのだ。

マッサージを1時間受けるとしたら、脚は10分で残りの50分は首や肩、背中のケアに充てます。肩がこったまま走ると呼吸が不十分になって、末梢組織の酸濃不足を招いて走りに影響してきます。肩こりの人は日頃かを肩甲骨周りの筋肉をほぐしておきましょう。


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