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ランナーのレベルに合わせて起こる痛みや障害の原因や対処を紹介

ランナーに起こる痛みや障害の原因や対処を紹介
レベル別でその故障はなぜ起きる、どう防ぐ

ランニングによる故障のほとんどが、打僕のように一過性のものではありません。いわば低温やけどのようなもので、その原因をそのままにしておけば、また同じことの繰り返しです。

故障したところだけ対処療法をしても意味がありません。そういう意味で、ランニングによってもたらされる故障は、予防が第一・原因がわかっていれば、故障は防げます。ランナーにとって故障とは、走歴と経験、トレーニングの仕方によって変わります。

1.初心者レベルで起こりやすい故障
走りはじめた人は、最初にひざが痛くなります。これは、故障というほどのものではありませんそれまで自分の体重しか脚にかけていなかったのが、走ることで急にその3倍の負荷がかかるようになり、ひざが衝撃でびっくりしてしまうわけです。

大きな炎症が起きる前に痛くなるので、大抵の人が走るのを控えますから、あまり大事にいたらないようです。

ひざが痛くならないようにするには、走ることと並行して大腿筋を鍛えるスクワットをすることです。それから、たくさん歩いたほうがいい。走る以前に歩いている感覚を身につけておくと、脚ができてくるので走るのも楽になります。ひざが痛くなったら、とにかくいっぱい歩くようにしましょう。

そのために、日頃から歩きやすい靴を履くことが必要です。窮屈なハイヒールではたっぷり歩けません。これから走りはじめる人は、まず楽に歩けるシューズを履く。そこに走ろうとする意志があらわれ、意欲がわくのです。最近のウォーキングシューズはおしゃれになっていますから、通勤にも使えると思います。
気になるなら、職場で履き替えてはどうでしょう。

距離が延びてくると腰が痛くなる
腰が痛くなってくるのは、だいたい1時間以上走れるようになってから。これは、姿勢の悪さが大きな原因です。痛みを予防するには、まず基本の姿勢を正しくすること

そして、腰から背中にかけてのストレッチを入念に。仰向けに寝ころがって、腰に手をそえ、ぐっと持ち上げる連動がいいでしょう。脚をそろえて前に出し、その先をつかむように体を前に倒すストレッチも、背中から腰にかけての筋肉を伸ばすのに効果的です。

すねの炎症は誰でも経験する通過点
初心者なら誰しも一度は経験するのが、すねの痛みです。これは、走る衝撃に対して脚がまだ弱いために起こります。かかとの上下連動を行って、すね周りを鍛えたほうがいいでしょう。

すねへの衝撃をやわらげるために、適度なクッションのあるシューズを履きましょう。自分の筋力と体重に見合ったシューズ選びが、ひとつの予防法です。

それでも初心者は痛みがちです。痛みがあれば、ほとんど炎症になっています。アイシングで冷やしてから湿布を貼るなどして、きちんとケアしましょう。痛いときは無理せずに、休んだほうがいいのです。

すねは、走るうちに鍛えられて強くなっていくので、上級者が痛むことはまずありません。だから、すねの痛みは、脚が強くなるための通過点のようなもので。ひざの痛みも同様で、初心者特有といえるでしょう。

お腹が痛くなる原因の種類と予防法
走っている間に横っ腹などお腹周りが痛くなることがあります。これは原因がいくつかあって、ひとつは胃の問題。みぞおちが痛いときがそうです。食後間もなく走ると、痛くなったり、気持ちが悪くなったりします。あるいは、走る苦しさからストレスでキューッと胃が痛くなることもあります。

前述は消化能力の問題なので、消化能力の低い人は食後、時間をおいて走るか、消化剤を使ったほうがいいでしょう。後述は、精神的ストレスで胃が弱くなっているのかもしれません。無理しないで、胃を丈夫にする漢方薬を飲んだりして、いたわりましょう。

また、横っ腹が痛くなるのは、急に速いスピードで走って横隔膜を使い過ぎたためです。普段そう使わない部分ですから、痛くならないようにするには、複式呼吸をゆっくりやっておくといいでしょう。ハーッとゆっくり大きく息を吸ってリラックスして息を吐く。これを繰り返します。走るときは急激にスピードを上げないように。横っ腹の痛みが続くと、神経痛になることもあるので注意してください。ときには横っ腹の痛みが背中までいったりします。そういう痛みが激しいときはスピードを抑えて走りましょう。リラックスすると、だんだん痛みがなくなってきます。


2.中級者レベルで起こりやすい故障
足の甲や裏はタオルギャザーで補強運動を走り込むようになると、足の甲が痛くなるときがあります。これは、着地の衝撃で、足の甲に炎症が起きて、腱鞘炎になってしまうからです。こうなると、靴の紐が当たっても痛い。

それが、走ると意外に走れてしまうもので、無理する人が結構います。すねの場合は、痛くて全然走れなくなるのですが、足の甲はそれほどに感じないようです。
しかし、走れるからといっても、見た目に腫れがわかるようなら、練習を休んで冷やしましょう。

甲とは逆に、足の裏が痛くなる人も多いのです。自分の限界を超えて走り込んだりすると、かなり痛くなります。これも誰にでも起こり得る痛みで、防ぐのはむずかしい。

ただ、普段からはだしになって運動したり、はだしで芝生や砂の上を歩いたりして、足の裏を鍛えておくといいでしょう。
部屋の中で毎日はだしで過ごすだけでも、全然違ってきます。はだしでいるだけで、足の裏に自然と刺激が与えられ、足の裏を使う量も増します。靴を履いていると、足が靴に頼ってしまいますから。

もし、足の裏が痛くなってしまったら、ゴルフボールや青竹を踏んで、足底に刺激を与えると楽になります。練習を一時ストップして、無理せずにもう一回歩く練習から入っていくといいでしょう。

足の甲や裏を鍛えるには、タオルギャザーという袖強連動があります。足首から下の力を強くするのに効果的です。やり方は、はだしでイスに座り、足元に広げたハンドタオルを足の指を使ってたぐり寄せ、寄せたらまた広げます。これを3セットにしたものを3回行いましょう。所要15分くらいです。
さらに、かかとの上下運動で、体を支える足の力を鍛えましょう。


力以上に走るとひざの外側が痛む
足の先が痛くならないで、ひざの外側が痛くなる人もいます。
これは、ひざの伸縮が繰り返されることで、靭梢と大腿骨の間で摩擦が生じ、炎症を起こすためです。

これも、ストライドを大きくしすぎたりして、自分の筋力以上の力を用いて走っていると起こりやすいケガです。また、O脚のひどい場合も脹脛靭梢の緊張が強くなって、摩擦が生じやすくなります。

ランナーはひざを痛める頻度が高いのですが、なかでもこの脹脛靭帯炎は短距離ランナーに多発するため、「ランナーひざ」と呼ばれたりします。

自分に合った自然なストライドで走り、筋力がつかないうちに長時間走り込むのはさけましょう。痛くなったら、すぐに練習をストップして、アイシングを。痛みがおさまるまで軽くマッサージやひざのストレッチを行うとよいでしょう。


爪のはがれ、足のまめ予防には正しい着地を
脹脱楜帯炎になるくらいの人なら、今度は爪がはがれたり、足にまめができたりというトラブルが多くなります。爪をはがさない予防は、まず爪を伸ばさないこと。テープを巻いても、あまり効き目がないでしょう。もうひとつは、爪のはがれやすい人は強い走りをしているので、優しい着地と体重移動を心がけると、かなり防げます。

まめのできやすい人は、まめを予防する薬を欠かさず塗ったほうがいい。また、走り方で気をつけたいのは、やはり着地です。着地が正しくできれば、まめはできづらくなるはずです。靴にも原因があって、ぴったりしすぎていたり、ゆるすぎたり、サイズが合わないとまめができやすい。

ただ、靴よりも走り方に原因があることのほうが多いですから、今までまめができなかったのにできはじめたら、まずフォームが崩れてきていると思ったほうがいいでしょう。まめは、いわば黄色信号。注意するよう知らせてくれているのです。

3.上級者レベルで起こりやすい故障
マッスル補強運動で股関節の痛みを予防 股関節が痛くなるのは、かなり走り込んでいる人に多い故障です。その原因はほとんど腹筋が弱いせいで、大腿四頭筋ばかり使って走ることにあります。

本当は、強い腹筋を使って骨盤を動かし、大腿四頭筋へとつなげなくてはいけない。それが、太もものほうが強くなり過ぎて、腹筋がついていけないため、股関節に負担がかかってしまうのです。

これを防ぐには、何といってもマッスル補強運動です。上のほうの腹面筋だけでなく、下側の腹筋や脹腰筋(インナーマッスル)をしっかり使えるようになれば、上半身と脚のバランスがよくなります。

ランナーというのは、どうしても脚が強すぎて上半身とのバランスが悪くなりやすい。なので、上半身の腹筋周りを鍛えておくことが肝心なのです。股関節の痛みは、いくら鍼を打っても、簡単に治るものではありません。

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