目次
ランニングが楽になる肺活量を上げるトレーニング方法
1.肺活量は、体格や年齢、性別、そして姿勢などによっても変わってきます。
肺活量は、肺をしぼませたり膨らませる、肺を覆う筋肉(呼吸筋)の能力によって向上します。
強く吐いたり・吸ったりすることで、この呼吸筋をより使うことができます。
ランニングの場合、走る速度に比例してエネルギーの必要量が増しますから、必要な酸素量が直線的に増します。ヒトが摂取できる酸素量は心肺機能と毛細血管の発達具合、筋肉のミトコンドリアの機能に依存します。
Aさんは時速12kmをこえてもスピードに応じた酸素を摂取することができているのに対して、 Bさんはそれ以上酸素を摂取することができません。このとき最大酸素摂取量が発現したと言います。
その時、糖を乳酸まで分解する過程でATP再合成のエネルギー供給を行いますが、乳酸がたまりすぎると体が酸性に傾き、筋肉の収縮が阻害され、 また糖が分解できなくなってしまい、それ以上運動を継続できなくなります。一方、Aさんは時速15kmまで必要な酸素を摂取できています。
ですから最大酸素摂取量が高ければ高いほど、長距離走が速く走れることになります。また最大酸素摂取量は健康と密接に関係しています。
最大酸素摂取量とランニングの記録には密接な関係があるので、記録から最大酸素摂取量を予測することができます。例えばフルマラソンを6時間で走れたとすると、このスピードでの酸素摂取量はおよそ26.8ml/kg/分。
マラソンは最大酸素摂取量の50~70%で走行しますので、38~53.6ml/kg/分の最大酸素摂取量の持ち主と推定されます。
最大酸素摂取量は加齢とともに著しく低下する体力因子で、10年でおよそ10%低下します。
2.肺活量を鍛えるトレーニング法(肺活量の増やし方・鍛え方)
肺活量を鍛えるこのトレーニングで重要なのは、息を限界まで吐ききること、限界まで息を吸い込むことを意識して鍛えるという点です。
肺を限界まで収縮させることが肺活量を増やすことにつながることになるからです。
「肺活量」は、人間が息を最大限吸い込んだあとに肺から吐き出せる空気量のことです。似た言葉に「肺気量」があって、様々な肺に出入りする空気の測定量の総称です。
「肺活量」は最大吸息した後、随意的に最大呼出して呼出される気体の量のことで、「全肺気量」は、最大吸息したときに肺内にある気体の量の事です。
肺活量アップといえばやはり水泳です。水泳は水を使った全身運動で、消費カロリーの高い運動としても知られています。心肺機能の向上はもちろんですが、他にも喘息などの気管支系の病気にも効果的と言われております。
他はジョギングや自転車などを毎日かかさず続けることも大事ではないかと思います。持久力の向上にはお勧めですね。でもそんな時間がないという方は家でもできる肺活量アップ方法を紹介します。
絶対肺活量を高める
最大酸素摂取量とは、1分間のうちに血液に摂り入れることのできる酸素の最大量のことをいいます。
最大酸素摂取量の数値が高ければ高いほど、体内への酸素供給能力が優れているということになるので、効率よく酸素を利用できます。
この最大酸素摂取量を増やすためには大きく 2つのポイントが挙げられます。
ポイントは呼吸に使用する肺容積のキャパシティを大きくすること、すなわち、肺活量を増やすということです。
肺が呼吸活動をする場合、肺そのもの が自ら膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜の弛緩や胃、肋骨と肋骨の間にある肋間筋の弛緩と胃によって、肺の容積が拡がったり縮んだりして空気が出 し入れされています。
ヨガとは、あらゆる体勢においても安定して酸素を供給できる肉体作りを目的として、さまざまなポーズを取りながら激しく呼吸する訓練をするものです。
そのため、ヨガを行うことによって横隔膜が鍛えられ、肺活量を増加させることができるのです。
いったいどれぐらい肺活量が増加するのかというと、ヨガを1年ほど続けた場合、一般的な人の場合なら肺活量を10〜20%まで高めていくことができます。
もともと高い肺活量を持つ一流アスリートレベルでも、ヨガによって約5〜10%の肺活量増加が期待できるのです。
3.肺胞のガス交換率を高める
最大酸素摂取量を増やすための2つめのポイントは、「ガス交換率」を高めることです。
呼吸とはそもそも、体内の細胞が生命活動をするために必要なエネルギー燃料を供給するために行われています。その燃料こそが酸素です。
呼吸によって摂り入れられた酸素は肺に送られ、肺から血液中に送られます。そのまま酸素は、血液を経由して体中の各細胞へと届けられ、エネルギー燃料として使用されるのです。
細胞が酸素を燃焼してエネルギーを生成した結果、二酸化炭素が残ります。この二酸化炭素は、不要なものとして血液によって運び出され、肺へと送られます。
そしてそこから呼気によって体外へと放出されるのです。つまり肺では、酸素を体内に送り込み、二酸化炭素を体外へ排出するという交換作業が営まれています。これが「ガス交換」の全貌です。
さらに細かくいえば、ガス交換は肺の内部にある「肺胞」で行われています。
肺胞とは、気管支の末端にある小さなブドウ状の器官。肺の内部に無数に存在していて、その1つ1つにはびっしりと毛細血管が張りめぐらされているのです。
ガス交換は、この肺胞の毛細血管部分で行われているもので、「ガス交換率」とは、肺胞で行われている酸素と二酸化炭素の交換効率のことをいうのです。
肺胞の直径は約0.2mmと大変小さいものですが、その数は左右合わせて約6億個といわれており、表面積は成人の場合で約100㎡にもなります。
しかし、 この表面積のすべてでガス交換が行われているかといえばそうではなく、日常生活レベルでは機能していない肺胞も数多く存在しているのです。
つまりガス交換率とは、肺胞および毛細血管の薄い膜部分での酸素と二酸化炭素の交換時間、そして膜部分のガス交換機能使用率によって決められるといえます。
肺や肺胞で摂り入れた酸素を脳細胞で活用する
これまで説明してきたような呼吸のメカニズムは、「外呼吸」と呼ばれているものです。外呼吸とはひとことでいえば"体内の換気"。
口や鼻から吸い込んだ空気が、気管を伝わって肺へと送られ、肺胞で酸素が血液中に取り込まれます。そして代わりに血液中から肺胞で捨てられた二酸化炭素が、気管を伝わって鼻や口から排出される、この換気する呼吸のことです。
これに対して、呼吸にはもう1つ「内呼吸」と呼ばれる種類のものがあります。
これは「細胞呼吸」とも呼ばれるのですが、外呼吸によって血液中に取り込まれた酸素が、動脈血に乗って各組織へと運搬され、それぞれの組織細胞によって酸素力が燃焼されて二酸化炭素が排出される活動のことを指します。
この内呼吸によって全身の細胞における浄化作用が起こり、代謝が促進されるのです。
スポーツ脳を強化するという意味では、脳細胞における内呼吸を促進させていくことも重要な課題に挙げられます。脳内での内呼吸能力を高めることが、酸素摂取力強化プロジェクトの最終目標地点といえるでしょう。
4.ペットボトルを使った肺活量の鍛え方
肺活量の基本的な容量は、肺の大きさ、つまり体格で決まってしまう部分が大きいのですが、肺を鍛えることによりある程度は肺活量を増やすことができるそうです。肺活量を鍛えるトレーニング法として手軽でよく知られているのがペットボトルを使ったトレーニング法です。
1.5~2リットルの空の大きなペットボトルを口にくわえて息を吸ったり吐いたりする方法です。
このトレーニング方法は、息を吐くというよりは、吸うことに重点を置いた肺活量の鍛え方ですが、ペットボトルをペシャンコにできるくらいへこませられるようになれば、肺活量はきっと平均値以上になっていることでしょう。
さらに本来、呼吸する時に筋肉はほとんど使われませんが、ペットボトルを使う事で呼吸する為の筋肉が使われ、鍛えられます。
これら2つの効果によりどこでも手に入るペットボトルを使って鍛えることができます。
5.紙を利用したトレーニング方法
用意するものは紙1枚と家の壁など
方法としては
①紙を壁に張り付けます。(テープなどで貼り付けるのではありません。何もなしです)
②貼り付けられない、つまり紙は重力によって床に向かって落ちるので、それを落ちないように息を吹きかけて、紙を維持させて下さい。
かなりのスピードで息を吸わないと紙が落ちてしまいますのでかなりキツイですが肺活量トレーニングにはなります。
多分、目の前がクラクラすると思いますので、適当な所で休憩して下さい。
以上、基本的なことを踏まえて、人間は普段の生活の中では激しい運動などしない限り、「全肺気量」の10分の1程度しか使っていません。
実は、「全肺気量」のすべてを「肺活量として呼出できる人はしません。必ず「残気量」があります。
簡単に言えば、肺活量4Lの人でもまだ200ML体内に残っている…ということが起きているのです。
そして、「肺活量を増やしたい」という多くの人が、実は「全肺気量」のうち「残気量」が多い非常に無駄で効率の悪い息遣いをしているのです。
肺活量(正式に言えば全肺気量)は、特別に多くなくても、歌も楽器もできます。
大切なのは、その吸った息をきちんとコントロールして「残気量」ができるだけ少ない状態まで使えるように訓練するかどうかです。
これが、いわゆる「腹式呼吸」です。
より多くの酸素を全身の筋肉へ送り込む心肺機能
6.トレーニングで走れるからだに
トレーニングをはじめたころは、必要な酸素を迅速にカラダ中に運ぶために、より多く血液を送り出そうと心臓が速く動く。しかし、そういった動きを繰り返していると、心臓は「速く動く」よりも、「1回でより多くの血液を送り出す」ようにと順化されていく。このように、トレーニングを続けることで、カラダは、より効率よく走れるように変化していくのである。こういった心肺機能の強化に有効なのが、インターバルトレーニングや高地トレーニングといった、マラソンランナーが行うトレーニングだ。
心肺機能を強化するトレーニング
フルマラソンのタイムを縮めたいからといって、長い距離ばかり走ってもダメ。そこで、心肺機能を強化するには、インターバルトレーニングが効果を発揮する。
インターバルトレーニングとは、ある距離を全力で走り、インターバル(休憩) をおいてそれを数回繰り返すトレーニング。インターバルの長さはレベルによって異なるが、心拍数が120まで落ちたところ(1~2分)がめやすになる。
インターバルトレーニング
インターバルトレーニングの組み合わせはさまざま。走る距離や休憩の時間を変えることで、変化にとんだ練習が可能だ。ポイントは、最大心拍数(標準=220-年齢)近くまで上げていくこと。
20km走
フルマラソンの完走を目指すには、本番前にある程度カラダを慣らしておくことがポイント。大会の1ヶ月前くらいに、20kmを本番ペースで走る練習をするとよい。
走れるならば、普段の練習でも週1回を目標に20km走を取り入れてみよう。
また、さらなるレベルアップを目指す人は、30km、40kmと走る距離を長くしよう。ただし、大会2週間前からは調整が必要。きついトレーニングは避けて、軽いジョギングやストレッチなどで疲労をとろう。
トレーニングハイ・リビングロー
酸素の薄い高地で、酸素摂取量を高めるのが高所トレーニング。ただしカラダにかなりの負荷がかかるので、やりすぎるとかえって効果が得られない。トレーニング後には、十分な休養が必要だ。高いところ(ハイ)でトレーニングをし、低いところ(ロー)で休む方法が、より効率のよいトレーニングだ。
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