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ランナーは心拍数が高いから心臓に負担がかかり寿命が短くなる?

ランナーは寿命が短くなる? スポーツマンは長寿か 短命か
論議はすでに20世紀初頭に始まっていますが、結果は必ずしも一致していません。

この原因として寿命に影響する要因は多数あり、かつ長期間の追跡調査が必要で運動だけの影響を検討することが難しいという研究上の理由のほかに、スポーツ種目・生活環境・運動継続年数の相違などが考えられています。

近年の一般的な認識としては、喫煙習慣や遺伝的要因など運動以外の生活習慣病危険因子の影響を除いた場合、身体的に活動的な人はそうでない人に比べて寿命が長くなると考えられています。


体をよく動かす人は、動かさない人に比べ、心臓病、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病にかかるリスクが低いと言われています。

ランニングを始める時期に遅すぎることはないようです。2009年の英国医師会誌にスウェーデンの研究者らが、 日頃からよく運動する人は、運動習慣のない人に比べて死亡率が低く、50歳から運動を始めても余命が延びることを報告しました。

50歳から60歳の間に運動を始めた人を10年間追跡して調査したところ、死亡率は半分になり、ずっと運動習慣がある人とほぼ同レベルになったのです。

逆に運動をやめてしまった人はもともと運動をしない人と同レベルまで上がりました。50歳からの余命を比較すると、とてもよく動く人は全く運動習慣のない人に比べて2、 3年長いという結果も出ています。

また、60歳から運動を始めても50歳代から始めた人と同じ効果が認められるため、運動の恩恵を得るためには、開始年齢ではなく継続することが重要であると言えます。

では、 どうして運動することと寿命が関係しているのでしょう。日本人男性を対象とした調査では、有酸素能力(推定最大酸素摂取量で評価)との関係が示されています。

体力にはいくつかの要素がありますが、持久力あるいはスタミナを意味する有酸素能力によってグループ分けしたところ、有酸素能力が高くなるにつれ死亡のリスクは低くなりました。

また、米国クーパークリニックのブレア先生は、死亡率が最も低くなる最大酸素摂取量は、男性で35m1/kg/min、女性で31.5m1/kg/minと算出しています。

ダニエル先生が示した最大酸素摂取量とフルマラソン記録の関係をもとに、 これらの数値をフルマラソンの1km当たりのペースに置き換えると、男性6分8秒(4時間19分で完走)、女性6分38秒(4時間40分で完走)に相当します。あくまでも試算ですが、 フルマラソンの経験のある方は、 自分の記録と照らし合わせてみてください。

記録が伸び、これらの記録に近づくにつれて死亡のリスクが徐々に下がることになります。
皆さんは、ただ単に寿命が延びるのではなく、元気で長生きすることを望んでいることでしょう。楽しく賢くランニングを継続することは、健康寿命を延伸するひとつの手段と言えます。


心拍数が多いと寿命が短くなる?
生物学で興味深い仮説があります。哺乳類の平均心拍数と寿命には一定の関係があり、心臓が一定回数(20~ 25億回)拍動すると寿命がつきるというものです。ネズミのように心拍数の非常に高い小動物は寿命が短く、ゾウなど心拍数が低い大型の動物は長寿になります。

ラット
ヒトの場合も当てはまるのでしょうか? 例えば「スポーツ選手は短命で、その原因は運動中に心臓を酷使するためであり、反対に穏やかに生活している人は心拍数が低く長寿である」という報告もあります。

スポーツマンの平均心拍数は?
そこで1日に2回トレーニングしている競技ランナー、週に3~5回ジョギングを行うジョガー、日頃運動しない運動不足気味の一般健常者を対象にして1日の平均心拍数を比較してみました。

その結果ランナーは運動中(2~ 3時間)の心拍数が安静時の3~4倍に高まっていたにもかかわらず、1日の平均心拍数では健常者よりもかえって低くなっていました。

ランナーのトレーニング以外の日常生活および睡眠中の心拍数が、健常者より著しく低いことが原因でした。

持久的トレーニングと心拍数
持久的トレーニングの効果のひとつとして、心臓・循環系の形態・機能が増強し、その結果、安静時や同一強度の運動時の心拍数が低くなることがあります。反対に運動不足の弊害の1つに、心臓の萎縮および機能低下があり、それらを反映して心拍数は高くなります。

心拍数の増加は心臓の負荷が増大していることを意味します。ランナーでは、トレーニング中の心臓への負荷は高いが、それ以外の生活時の負荷が小さいのに対して運動不足の人は、睡眠を含む日常生活全般で心臓への負荷が高く、結果としてランナーより1日の心臓の負担が大きくなることは十分に考えられます。

平均心拍数から寿命を予測する
「心臓に寿命がある」という仮説が正しければ、心拍数の高低が寿命に影響することになります。心臓寿命の回数を25億回と仮定し、平均心拍数から寿命を推定した場合、現在の日本人の平均寿命より短いなど問題点はありますが概念としてとらえます。

これによると運動不足の人の余命はランナーに比べて10年以上短いと予測されます。

同時に適当な運動習慣によって心機能が充進し、心拍数の低下が起これば、延命される可能性も示唆しています。反対に現在よく運動している人でも、その習慣をやめてしまえば徐々に心拍数の増加が起こり、余命が短縮されることを示しています。

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