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自分の考え方や発言を否定から肯定するだけで調子が上向く

1.否定的な発言をなくすにはまず自分を変えること
何気ない習慣ほど、素のあなたが反映されているものだ。そうしたところにこそ、成功と失敗を分けるカギが潜んでいる。

たとえば、あなた自身が発する言葉も、その一つである。どんな場面でも否定的な発言ばかりする人がいるが、そうした発言は一つ残さず、発言した本人の耳が聞いている。

人の考え方は、自分で実際に体験したこと、他人から聞いた話、書物やテレビなどを通じて得た情報や知識など、さまざまな経験によって形作られていく。そのような考え方に影響を与えるものの一つに自分自身の発言がある。

しかし、そのことに気づいている人は意外と少ない。自分の発言が自分の考え方、生き方に影響を与えているなんて思いもつかないだろうが、実はこの影響力は計り知れない。

言葉は、あなたの考えていることがベースになって発せられる。したがって、言葉を変えるには、まず自分の考え方を変えることが必要だ。そのためには、会議などで発言しようとするとき、一度その言葉を飲み込み、語尾が否定型になっていないかを確かめてみる。発言内容が否定型であった場合、それを肯定的な言い方に変えて発言してみるのだ。

たとえば、出された食事が口に合わなかったとしよう。この場合、「まずい」というのは簡単だ。しかし、つくった人はそういわれてうれしいはずがない。そこで、「まずい」という言葉を一度飲み込む。

次に「なぜまずいと思うのか、どうなればおいしいと感じるのか」を考えてみる。「しょうゆが足りないので味が締まらない」「火のとおりが悪く固すぎる」など、その理由が明らかになれば、あとは簡単だ。

「もう少ししょうゆが入ったほうがおいしくなると思う」「もう少し火がとおったほうが食べやすい」といったように発言するのだ。これだけでもかなり印象は変わってくるはず。

ビジネスの場面でも同様に考えてみることだ。「そんな条件でできるはずがない」と思った場合、まずなぜ不可能なのか、「できるはずがない」根拠を整理する。次に、「その条件がどうなれば実現できる」のかを考え、発言するのである。

人は誰でも、自分の意見が否定されるのはうれしいことではない。もしも自分で意識しないうちに否定的な発言が増えているとすれば、それを変えていくことで人間関係も改善していくことができる。

あなたが変わることで周囲の人との関係も変わり、環境を保つことができるようになるはずだ。 その結果、あなたにとって居心地のよい環境を保つことができるようになるはずだ。

2.肯定的な自分をつくるトレーニング
「いま、理由はわからないがスランプだ」「何か調子が悪い」と、平気で口にするスポーツ選手が実に多いことに驚かされる。事実、調子が悪いのかもしれない。

しかし、それを口にすることで本人にもマイナスの暗示がかかり、さらに調子を崩していくことにもなりかねないことを、本人はどのくらい意識しているのだろうか。

また、それを耳にする周囲の人たちにも「あいつは調子が悪いんだ」という暗示がかかってしまうので、その周囲の人たちがその選手をそのように見てしまう。

このようにして自分の発するマイナスの言葉が自分にも、他人にも暗示効果として作用し、他人の暗示がまた自分のところに戻ってきて、マイナス暗示の悪循環にはまってしまうケースが多い。そのためにも自分が口にする言葉には注意を払う必要がある。

たとえ調子が悪くても、必要以上に考え込まず、「調子は上向きになっている」と口にしたり思ったりすることで、自他共にプラスの暗示がかかり、いち早く現実のスランプから脱出できるだろう。 自分の中にある否定的なものを、肯定的にとらえ直すだけでも、精神状態はよくなり、立ち直りのきっかけをつかむ早道になる。


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