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筋肉の収縮の原理を理解してトレーニングで応用する方法

筋の収縮様式とトレーニング
筋肉を鍛えるにはいろいろな方法があります。しかし、どの方法を採るにしても筋活動の様式を考慮した合理性が求められます。
筋肉の活動様式は、
・等尺性収縮(アイソメトリック・コントラクション)
・等張性収縮(アイソトニック・コントラクション)
の二つに大きく分けられます。
筋は収縮することによって力を出しますが、その筋の働き方(力の出方)には静的な筋収縮と動的な筋収縮によるものとがあります。

アイソメトリック
等尺性収縮(アイソメトリック・コントラクション)とは筋が運動をともなわず筋の長さが変わらない収縮のことを指します。わかりやすい例をあげると、巨大な壁を押す(引く)、あるいは腕相撲で両者の力が拮抗している時のように筋肉が一定の状態に保たれたまま力が発揮される状態のことです。

握力や背筋力の測定のように筋が収縮する方向に力を発揮したり、倒れかかってきた重い壁を支え、外力に抗している状態を想い浮かべるとわかりやすいでしょう。両手の手の平を合わせ、思いっきり双方から押し合うようなこともアイソメトリックの中に含まれます。

アイソトニック
対して等張性収縮(アイソトニック)とは筋の動的な活動によって筋の長さが変わる収縮のことです。わかりやすくいいますと、腕なら腕、脚なら脚などその部位の筋肉が動きながら力を発している状態です。日常の一般的な動作やスポーツ動作はほとんど動きをともなっていますので、アイソトニック動作の連続ということができます。

2.コンセントリックとエキセントリック
この等張性収縮は、負荷に対してどのような筋収縮を示すかによって
・短縮性筋活動(コンセントリック・コントラクション)
・伸張性筋活動(エキセントリック・コントラクション)
の二つに分けられます。

筋力が外力(負荷)より大きく、筋が短くなる収縮を示すものを短縮性(コンセントリック)収縮といい、筋力が外力より小さく、筋が強制的に伸ばされる収縮を示すものを伸張性(エキセントリック)収縮といいます。

例えば水の入ったやかんとバケツを持ち上げる場合で説明しましょう。水の入ったやかんをグッと持ち上げる時は外力(水の入ったやかん)より力が強いので腕は肘を曲げて(コンセントリック収縮をして)やかんを持ち上げることができます。

対して、水の入ったバケツを持ち上げようと思ったら、途中まで持ち上げられたのに重くて下に降ろしてしまったような時、腕は負荷(水の入ったバケツ)に耐えられずバケツを下ろしてしまいますが、下ろしながらもその途中では重さ(負荷)に耐えながら力を発揮しています。このように筋が伸ばされながらも力を発揮している状態をエキセントリックといいます。

このような筋活動様式に則し、かつ活用して行われる筋肉トレーニングを、それぞれアイソメトリックトレーニング、コンセントリックトレーニング、エキセントリックトレーニングといいます。


アイソトニックとアイソキネティック
さらに、 コンセントリックとエキセントリックについては、ダンベルやバーベルを用いるときのように負荷が一定であればアイソトニック(等張力性)、筋肉の収縮速度が一定であればアイソキネティック(等速性)と呼ばれます。
筋肉トレーニングを行うときには、これらの筋収縮の特徴を理解し、目的に合ったトレーニング様式を選ぶことが大切です。

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