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フルマラソンを3~4時間で完走を目指すランナーにおススメの練習方法

ランナーなら目指したいサブ4の壁に挑戦
4時間以内という壁を乗り越えるにはスピードある走りが不可欠。距離と速さを意識した実践練習で実力を高めていこう。

上級者は参加資格が厳しいレースや関門設定のレベルが高い大会も目標に据えていきたい。このレベルになるとレースを耐えぬくタフさにくわえて、スピードも必要となります。1kmを5分のペースで走るトレーニングが必須です。市民ランナーの大きな目標であるサブ4を達成するには5kmを22分で走り切る走力が必要です。

実践的練習を積んでいこう。いずれのレベルの大会も、しっかりした調整と準備が大事。良い準備をして万全の体勢で挑みたい。


3時間台を目指す自分の意志の確認を
この練習から、3時間台でフルマラソンを完走するためのトレーニングに入る。だが、何も特別なことをするわけではない。基本的にはこれまでの延長である。練習をこなしてきて、あなたはより健康になったことを実感したはずだ。そしてまた、何よりもジョギングの楽しさを味わったことと思う。だからこそ、躊躇なく自然と次の段階へと走り、続けることができた。

だが、これからの3時間台の世界は走る意味が異なってくる。
なぜなら、この世界を実現させるには、これまでの練習に加え、人それぞれのプラスアルファが必要になるからだ。まず肝心なのは自分自身の積極的意志つまり、どうしても3時間台でフルマラソンを完走したいという強い気持ちがあるかどうかということ。言い換えれば、目的を持って走るということだ。
3時間台の世界はこのことが大きな要素となる。

具体的には、より多くの距離を踏むことと、スピードアップを図ることが欠かせない。したがって、これまでの延長とはいえ、トレーニングの内容は当然ハードになる。疲労の度合いも違うし、故障にもつながりやすい。だから食事をはじめ、日々の生活そのものも変えなくてはいけない。だが、これは何も修行僧のような生活を送るということではない。希望の達成に頑張ろう、ということにほかならないのだ。


3時間台も距離が中心
走行距離は月間200mが目安。
それぞれ1週間の中で練習のメインという日はない、ということ。あえていうなら、休養日も含めて毎日がメインだ。だが、どの日もゆったりした気分で臨みたい。それは、一貫していってきたように、走ることは決して体力や気力の限界に挑戦する、といったことではないからだ。

目的を持って走ること。それはこの段階になっても変わらない。
距離とスピードが重要になってくると説明した。

だが、優先するのは距離を踏むこと。 1回の練習での走行距離を延ばすことが第一。目安としては週間で50km、月間で200kmの距離を走ることをまず目標にする。メニューの基本構成は1~2練1休みで、週3日は休養日に当てている。この段階になると、やみくもにトレーニングをすればよいというものではない。

これまでより内容がハードになれをよそのぶん、疲れがたまってくるのは当然。したがって、小刻みに休養をとって回復させることが必要だ。実際にメニューをこなしながら、休養の大切さを改めて認識したい。

火曜日の12kmペースランは1km 5分のペースで。これは3時間台完走のペースだから、リズムをしっかりと覚えよう。木曜日の20kmジョグは、3時間近くかけてよい。これはLSDの効果を引き出すためのポイントを絞ったものだから、当然スピードを求める必要はない。長い距離を走ることによって、リズム感を持ち続けることを体得しよう。

土曜日のビルドアップ・ペースランは、それぞれのペースを守って正確さを狙う。この内容は前の延長だから、こなす実力は充分にある。また、調子がよいからといって、これ以上のことを行なうのはやめよう。そして、エネルギーを蓄えるという賢さも同時に身につけよう。日曜日のタイムトライアルはこれはレース完走のために欠かせない練習だ。



トレーニングをノルマ化する
同様に休養もノルマ化する
ここで重要な点は、トレーニングをノルマ化するということにある。同様に休養もノルマ化する。つまり、練習日はきちんと走る、休養日はきちんと休む、ということ。

水曜日の15kmビルドアップランは、1km 6分、5・分、4分のペースで走る。4分はこのトレーニングメニューの中でもっとも速いペース。だが、ここまでくれば、15kmのピークで3 kmを4分で走ることは決して高望みではない。肝心なのはリズムに乗って走るということ。

そして、調子に乗って暴走しないことだ。それぞれのペースで走りながら自分の体と対話をすることで、コンディションがどのように変化するか、を確認しよう。ペースを落とす、距離を短くすることぐらいの味付けは、この段階になればだれでもできるのが当然だ。

金曜日のビルドアップランは速いペースの立ち上がりがポイントとなるので、テンポよく走りたい。土曜日の15kmペースランは、イーブンペースを保つこと。ペースランでもそうだったが、一定のリズムで走ることが狙いだから、調子がよいからといってペースを上げないように注意しよう。

1km 5分のペースであればフルマラソンは3時間30分で走れる。日曜日の10kmタイムトライアルは、週のトレーニングのまとめの意味もあるが、ある程度タイムを狙って走るのもよいし、イーブンペースを目指して走るのもよい。

1週間の練習サイクルをひととおり行なってみると、1回当たりの走行距離も増えているので、疲れやペースの乱れを実感するはずだ。人によって程度は違うが、乱れの原因は何か、トレーニングの内容を考えて、この差を極力少なくする。そのためには、トレーニングの内容を変更して自分の体調に合ったようにアレンジするなど、賢明な走りを実現するための試行錯誤を何回も繰り返してみよう。


疲れを取り除きながら、正確なスピードコントロールを目指す
これまでの練習では1回の練習で走行距離を多く取るという内容をこなしてきた。

だが、この練習からは調整期。その名のとおり、3時間台で完走するために心身のコンディションを整えることを最優先させる。したがって、走る距離は週間50km。これには、これまでの練習のトレーニングで残っている疲れを取り除くという意味も含まれている。

ここでは、とにかく調整のための練習をコンスタントに実践することが最大の目的。そのことを最後のステップまでつなげることで、3時間台完走のためのトレーニングを仕上げることにもなる。

メニューは5練2休みのサイクル。火曜日のビルドアップラン10kmは、スピードを目指すのではなく、より正確にスピードをコントロールすることが狙い。ふたつのペースランを体験するつもりで取り組もう。

水曜日のLSDは一応2時間に設定しているが、この段階までくると、自分で時間配分をすることが望ましい。疲れを感じるようだったら、このLSDを1時間に短縮してもいっこうにさしつかえない。

6時間台、5時間台の練習で身につけてきた体との対話を、ここでまたじっくりと行なってみることのほうがよほど大切だ。走る力が同じレベルであっても、コンディションはひとりひとりで違う。メニューをただこなすことより、自分で吟味して、アレンジして走ろう。体力的には、もはやなんの問題もないのだから。

日曜日のタイムトライアルは、目指すレースの当日のスケジュールに合わせて、充分なアップからスタートしよう。


自信を持って最後のトレーニングをこなそう
この段階になると、もう多くを語る必要はない。あなたは充分にトレーニングをこなし、レースも何回か経験し、何よりも走ることが生活の一部になっている人だからだ。レースでは失敗も成功も体験してきたはず。

走ることを知らなかったころを考えればどちらも思いもよらぬ貴重な体験をしてきた。大丈夫、あなたはもう充分3時間台で完走できる実力を身につけている。この練習までこなしてきたことが何よりの証しだ。レースを控えているからといって不安になったりあせることはまったくない。

自信を持って、このメニューに沿って仕上げの練習を続けよう。内容は5練2休みで、走行距離は週間(42km)週12回のLSDは1時間で充分。1時間でLSDといえるだろうかと感じるかもしれないが、体を動かすことが先決。

短くても効果に変わりはないし、長時間行なえばよいというものではない。スピードは気にしないで、ゆっくりリラックス。月、水曜日ともに、とにかくコンスタントに行なうことが大切だ。

木曜日のビルドアップ。ペースランは、テンポよく走ることをまず心がけてみよう。1km 5分のペースを維持できれば、3時間台は確実だ。日曜日のペースランは、体調に合わせてl0kmから15kmの範囲で、自分が目指すレースの目標タイムの平均スピードで走ってみよう。そして、決してペースを変えないこと。

これはレースでのリズムを先取りすることで、とても重要なことだ。火、土曜日は充分に休養すること。


レース前の1週間
練習よりも健康に留意した生活を
レース直前だ。学生のころに、試験勉強で一夜漬けがマグレで当たったなどということがあったかもしれないが、走ることにそんな一夜漬けは通用しないし、また意味もない。

たとえ3時間台でなかったとしても、完走できれば大満足だ。
完走することが第一の目的なのだから。
ここまできたら、とにかく、もうあせらない、浮足立たない。

練習の量を増やすなんていうのは愚の骨頂だ。1週間の生活を、健康に留意して気持ちよく過ごすことが何よりも大切だ。
メニューに関しても、細かなことをとやかく考えることはもう必要ないだろう。今までのリズムを崩さずに、体調に合わせてコンスタントに練習をすればよい。コンディションを維持することを最優先することだ。

最小限の注意といえば、それぞれの練習の前にアップは充分に行なうということぐらいだ。そして、レース前日の5 kmのペースランは、気持ちよく汗をかくことを意識して、決してムリをしないこと。これまで長い期間、トレーニングしてきた体に軽い刺激、ちょっとしたスパイスを与えるようなつもりで、外に飛び出そう。

6時間台からスタートして、明日はついに3時間台フルマラソン完走の世界を体験することになる。持てる力を発揮できるようになどと、余計なことをしたり考えたりすることはない。

これまでのトレーニングをこなしてきたあなたの体は、すでに完走のためのさまざまな能力を会得しているはずだ。自信を持とう。



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