目次

正しいフォームのためダメなポイントを意識してなおす方法

1.正しい重心を意識できていない
自分の体の、正しい重心の位置をご存知だろうか
また、それを知っていたとしても、重心を「意識する」とはどういうことかを理解できている人は少ないように思う。
ランニングとは重心移動のスポーツ。効率よく走るためには、正しい重心への意識は欠かせないポイント

自分の体(体重)を楽に運ぶためには、重心をうまくつかみ活用することが必要。そのためにはまず、体の重心をしっかりと意識できていないと元も子もない。手足や頭があり、複雑な形をした我々人間にとっての重心とは、へそ下にあるといわれている。

ここは、東洋医学では「丹田」と呼ばれる箇所だ。この丹田に、走っているときはもちろん、歩いているときも、立っているときも、重心の大部分がかかっていることになるのだ。

ゆえに、効率のよいフォームというのは、この丹田にかかっている重心をしっかりと意識して無駄な動きをすることなく、体を前へと運ぶことのできるフォームのことだ。体が大きく上下動したり、左右にブレてしまったり、重心移動の際に無駄な動きが増えると、進行方向への推進力が弱まってしまうことになる。

しかし、この重心位置を意識するということは、走るときだけ意識しようと思ってもなかなか難しい。普段の生活シーンのなかから、日常的に意識することを心がけたい。通勤電車で立っているとき、丹田に意識を集中できていると、少々の揺れではふらつかない。また、デスクに座っているときや歩いているときも、姿勢を正し、丹田を意識することを習慣づけるようにしよう。


2.体幹が使えていない
スポーツに取り組むうえで、競技に関係なく「体幹」が大切だということはみなさんもご存知のとおり。しかし、「体幹」は鍛えればいいというものではなく意識的に使えなくては意味がない。加えて、「体幹」といってもさまざまな筋肉があり、それぞれ役割も異なる。ランニングにおいて体幹が果たす役割を理解し、日常的にしっかりと意識することが大切だ。

ランニングにおいて、体幹が使えていないとどういうことになるのか。部位別にそれぞれの役割を説明していこう。
まず体幹とは、ざっくり言うと頭と手足を除いた胴体部分のこと。
そして、ここを大別すると、次の4つに分かれる。

①上部腹筋群:上体の正しい姿勢、走る際の前傾姿勢をキープする。
ここが使えていないと、上体が突っ立ってしまい前傾姿勢をとることができず前へ進むためのエネルギーを使えなくなる。

②下部腹筋群(腸腰筋含む):着地の衝撃を吸収し、推進カヘ変換。
また、骨盤を動かすための筋肉といえる。骨盤から脚を前へ振り出すスポーツに取り組むうえで、競技に関係なく「体幹」が大切だということはみなさんもご存知のとおり。しかし、「体幹」は鍛えればいいというものではなく意識的に使えなくては意味がない。加えて、「体幹」といってもさまざまな筋肉があり、それぞれ役割も異なる。ランニングにおいて体幹が果たす役割を理解し、日常的にしっかりと意識することが大切だ。

③僧帽筋:胸を開いた正しい姿勢をつくり、それを維持する。肩甲骨を動かす正しい腕振りのために必要。

④中でん筋・大でん筋:着地の衝撃を吸収し、推進カヘ変換。着地後に体を前へと進めるためのアクセルでもある。
要するにランニングにおける体幹とは、正しい姿勢をつくり維持するとともに、着地の衝撃を受け、それを推進カヘ変換するための筋肉。
体幹が使えていない=バランスが悪く、脚力頼みの効率の悪い走りになってしまうのだ。


3.正しい着地を意識できていてない
全身を使って生み出した推進力を、地面へと伝達するポイントが着地点だ。ゆえに、着地が正しく行われないと、かなり効率の悪い走りになってしまう。正しい着地をするためには、上半身の正しいフォームが欠かせない。正しい着地ができていない=上半身の動きにも原因があるということなのだ。

重心を水平、かつ滑らかに運ぶための最重要ポイントとも言えるのが着地だ。着地と言っても、サブ4レベルのペースの場合、足裏をどのように接地させるかということではなく、いかに着地した足の真上に重心をのせられるかどうかがカギになる。言い換えれば、重心の真下に着地ポイントをもってくること。これができれば、地面からの反作用を推進力として利用でき、体は自然に前へと進む。

もっともありがちなのが、重心よりも前に着地ポイントがきていること。これでは、1歩着地するたびにブレーキをかけてしまっているのと同じで効率が悪い。しかも、ヒザや大腿四頭筋への負担も大きく過度の疲労や故障の原因にもなる。

ではどうしたらよいか。ランニングフォームはトータルバランスなので、着地の仕方だけを直そうとしても無理がある。正しい着地には、正しい上半身の正しいフォームが必要なのだ。重心を意識し、体幹を使った正しい前傾と腕振り。加えて骨盤の前傾ができていれば、自然と重心の真下で着地できるはず。

そして、わかりやすい指標として、着地の際の足音がある。引きずったり、バタバタと大きな音が出ているのは、正しく着地できていない証拠。しっかり重心の真下で着地できるようになると、足音はほとんどしなくなる。また、着地で足音が大きな人は、足底筋群や足の甲を痛める可能性があるので注意しよう。


4.腰が落ちてしまっている
上半身と下半身をつなぐ要が、文字どおり「腰」であり骨盤である。
この骨盤が正しいポジションをつくれているかどうかで、走りの効率は決まってしまう。着地の衝撃を推進力に活かせるかどうか。
また、生み出した推進力を殺すことなく次の1歩につないでいけるかどうか。
すべては「腰=骨盤」のポジション、使い方次第で決まる。


効率よくきれいに走るためには、肩甲骨の動きに運動して骨盤を回旋させて脚を股関節から自然に振り出すこと。そして、振り出した脚を重心の真下に着地させ、その衝撃を体幹で受け止めることが大切だ。

そのいずれも、骨盤がしっかりと前傾できていなければならない。「腰が落ちている状態」=骨盤が後傾してしまっていると、骨盤が動きづらく、着地で腰が沈み込んでしまい衝撃を体幹で受けづらくなってしまうのだ。

こうなると、結果的に脚力中心で走るしかなく、脚が前、体が後ろに残りやすくなってしまい、重心よりも前に着地することになる。着地が重心よりも前になってしまうと1歩1歩でブレーキをかけながら走っている状態となり、上半身と下半身をつなぐ要が、文字どおり「腰」であり骨盤である。

この骨盤が正しいポジションをつくれているかどうかで、走りの効率は決まってしまう。着地の衝撃を推進力に活かせるかどうか。また、生み出した推進力を殺すことなく次の1歩につないでいけるかどうか。
すべては「腰=骨盤」のポジション、使い方次第で決まる。

しかし、走行中に骨盤を意識しすぎてしまうと、骨盤だけを動かそうとしてしまい、不自然な動きや不安定な走りにつながりかねない。
それを防ぐためにも走る前の動きづくりやワークアウトを日常的に行い、上半身と連動した自然な動きができ、楽に骨盤の前傾状態をキープできるようになっておくことが大切だ。

また、腰が落ちてしまう人の多くが普段の姿勢が悪い傾向がある。
でん筋の補強・意識づけを中心としたワークアウトだけではなく、腹筋で支える上体の正しい姿勢を普段からしっかりと意識しておくといいだろう。

この記事を見た人は、下記にも注目しています!