目次

ランニングを思いっきり楽しむためには数字を気にせず我慢しないこと

1.楽しさとがまん、こだわりとサービス
ランニングをしていると人に伝えて時に、「ストイックですね」と言う人がいます。
そう見えるのでしょうか?

ときには、「肉とか食べないんでしょ?」「お酒もやめたんでしょ?」などと、半ば憐れみの眼差しを向けられることさえありますが、何かをガマンしているわけじゃない。走りたいから走っているだけで、ガマンどころか楽しくて仕方がないというのがホンネなのです。もちろん、焼き肉も食べるし、お酒だって飲んでいます。

ランニングを習慣にするためには、何かを制限しなければならないと思っている人は、意外に多いのかもしれません。たしかにダイエットのために走るような場合は、カロリーコントロールも必要になってきますが、ガマンの度合いを大きくしてしまうと、ランニングから得られる楽しさは小さくなってしまいます。

そのバランスの取り方というのも、プランニングとの相似点と言えるのです。
企画を立てるときは、こだわりとサービスのバランスが重要になってきます。

こだわりは自分のやりたいことであり、サービスは顧客の満足ですが、こだわりが大きすぎると顧客の満足度が低下し、逆にサービスが大きすぎると自分のやりたいことができなくなるという相関関係にあります。

理想の企画は「こだわり、サービス」なのですが、それではなかなか通らないから、「9対1」「8対2」「7対3」……
と、折り合いをつけていくことになるわけです。

ランニングも、楽しさとガマンの折り合いをどうつけるかが大切です。が、ダイエットなどが目的ではなく、アイデアを出すためのランニングであれば、「楽しさをガマン」で走ることは、十分可能なのです。なにしろ僕自身が、そんなランニングの快感を毎日味わっているのですから。

2.楽しみたかったら数字を目標にしない
みなさん、楽しく走っていますか?「自分は楽しく走れていない」という人には、1つだけ指摘しておきます。もしかしたら、数字を旗印にしてはいませんか?

たとえば、「毎日5km走る」という初期設定をしていたとします。体調が良かったりすると、つい頑張って6km、7kmと、いつもより長い距離を走ってしまうことがあるものです。

が、そこに罠があって、「6km」という数字が、ランニングの目的を惑わせてしまうことがよくあるのです。

6km走れたことが、「次回も6km走らなければならない」という強迫観念につながることがあります。5kmの設定を6kmに再設定して、それで従来通り楽しく走れていればいいのですが、負担になることだってあります。

それでも、一度6kmという数字が旗印になってしまうと、何が何でも6km走らなければ納得できなくなってしまい、「楽しく走る」という本来の目的を見失って、「苦しさ」や「面倒くささ」を感じ始める……。こうしてランニングを中断してしまった人が、周囲にも何人かいます。

距離だけでなく、体重や体脂肪率といった数字を旗印にしたときも、同じようにランニングがつまらなくなってしまうケースがあります。じつは、この数字の魔力に取り懸かれることは、企画の世界でも性々にして陥りやすい罠なのです。

最近の映画や本、その他のメディアを見ていて、「同じようなのばっかりだな」と感じている人も多いのではないでしょうか?その原因は、観客動員数、売り上げ部数などの数字を旗印にしたことにあるといえます。

どんなコンテンツならその数字を増やせるか、その部分だけを徹底的にリサーチして、ウケるとわかっていることばかりやろうとするから、画一的なものしかつくれなくなってしまう。数字が最優先された結果、独創的なアイデアは二の次になり、斬新な企画が通りにくくなっているわけです。

数字は後からついてくるもの。ランニングも、プランニングも、そこを忘れてはなりません。本来の目的は、「楽しめるものである」ということ。数字は1つの目安にはなっても、決して目的であってはならないのです。


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