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走るために必要な筋肉は筋トレでは鍛えられない

走るために必要な筋肉
1.いわゆる筋トレでは、走る筋肉は育たない
ランニングと並行して、筋トレをしている人をよく見かけます。しかし結論から言うと、純粋に筋力を鍛えるための筋トレは必要ありません。

ランニングに必要な筋力のほとんどは、走ることで自然に身につくからです。

大学駅伝の選手が、リハビリなどに使うトレーニングマシンを試してもらうと、一般の男性がラクラクと持ち上げる重さをクリアできません。 そんな彼は箱根駅伝を走り、実業団に入った現役ランナー。しかし、いわゆる筋トレ的なトレーニングは一切行なっていないそうです。

「筋力は、筋肉の太さに比例」します。となると、あの細い足から生まれるエネルギーは、筋力とイコールで結べないでしょう。

そこで、改めて考えたいのは、ランニングに求められる身体能力です。ランニングの動きを分析していくと、一番特徴的なのは、連続して跳ぶという動作。「飛ぶ」ではなく、「跳ぶ」です。跳ぶ力こそが、ランニングに必要な筋力なのです。

跳躍力を鍛える方法
跳ぶためには腕を強く振る力を鍛える必要があります。体の三角筋や大胸筋を中心とした肩や胸の筋肉を鍛えなければいけません。
肩の筋肉は懸垂やパイクプレスなど、フル胸の筋肉は腕立て伏せなどで鍛えることができます。

軸となる下半身は太ももを鍛える必要があり、太ももの中でも特に鍛えるべき部位は、太もも裏(ハムストリング)と太もも前(大腿四頭筋)という筋肉です。
ハムストリングや大腿四頭筋はスクワットやヒップリストなどで鍛えることができます。


2.ランニングに必要な筋肉
①背筋
②上腕三頭筋
③腹筋
④大殿筋
⑤ハムストリングス
⑥ふくらはぎ
⑦中殿筋
⑧腹筋
⑨腸腰筋(大腰筋)
⑩大腿四頭筋

ランニングは全身運動。脚力だけではなく全身の筋肉をバランスよく動かすことで、理想のフォームがつくられる。

長距離を走るために必要な筋肉とは?
ランニングの場合、どうしても脚力だけに注意が向きがちだが、ランニングは全身の筋肉を使って行われるもの。
そのためランニングに必要な筋肉は、下半身だけではなく、全身にわたっている。

①背筋
広背筋や僧帽筋、脊柱
起立筋などからなる背中にある筋肉の総称です。
腕振りや姿勢を保つのに使われる筋肉です。

背筋は、僧帽筋など背中にある筋肉の総称で、なかでも走るために重要な役割を果たしているのが広背筋だ。
腕振りを行うときに意識して使うのは、実は腕の筋肉ではなく、肩甲骨のまわりの筋肉。具体的には腕を振るというよりも、肩甲骨を動かすつもりで行う必要がある。そのときに使われるのが、腕のつけ根から腰までの背中を広く覆っている広背筋で、上半身のバランスを保つ役割も担っている。

②上腕三頭筋
腕振りの際、腕の角度を保つために必要な筋肉。

③腹筋
腹筋の中には腹直筋・腹斜筋・腸骨筋などがあるが、とりわけ走るために重要な役割を果たしているのが大腰筋だ。
大腰筋は体の奥深く、背骨の両脇にあり、背骨と下半身をつなぐ筋肉。すなわち、上半身と下半身をつなぐ数少ない筋肉で、足を持ち上げるときに最初に動く筋肉なので、走るためにはこの大腰筋が大きな役割を果たしている

④大殿筋
お尻を覆う骨盤から大腿骨に向かって伸びている筋肉です。立ち上がりやジャンプ動作に働きます。

走るという動作は、股関節を伸展させ、足で地面を後方に蹴ることで、体を前に進める動作だといえる。その股関節を伸ばすための筋肉が大殿筋で、尻の部分にある「大きな筋肉」からなり、走るときのもも上げや地面を蹴り上げるときなどに使われる。

⑤ハムストリングス
ハムストリングスとは、太もも内側にある大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉を合わせた部位の名称。太ももを高く引き上げる動作に使われる。

⑥ふくらはぎ
下腿三頭筋といい、歩いたり走ったりするときに使う筋肉です。
ふくらはぎ(下腿部)には、ヒラメ筋・腓腹筋・前脛骨筋・アキレス腱などがあり、走るときに地面を蹴る力を生み出している。

⑦中殿筋
背中側のお尻の上部にある小さな筋肉です。脚を外側に開く動作のときに働きます

⑧腹筋
腹部の中央を覆う上下に伸びている筋肉で腹直筋と呼ばれます

⑨鵜腸腰筋(大腰筋)
カラダの奥にある深部筋群の大腰筋と腸骨筋のことです。股関節を曲げたり、足を持ち上げるときに働く筋肉ですハムストリングス、太ももの裏側の大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つの筋肉で構成されている筋肉の総称です。
太ももを中心とした下半身を引き上げる動作で使われます

⑩大腿四頭筋
太ももから下部の筋肉で、前面にある大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋の4つの筋肉の総称です。もっとも強くて大きい筋肉で脚を動かすときに働きます



3.腸腰筋を意識して骨盤を大きく動かす
効率のよいフォームで走るには、大腿部(太モモの筋肉)や、骨盤を動かす筋肉を正しく使うことがポイントになる。
特に、骨稚を動かす腸腰筋は、足をタイヤのように回転させる運動に欠かせない筋肉なので、しっかりと意識して走りたい。

腸腰筋とは、大腰筋(胸椎と5つの腰椎から始まり、大腿骨につながっている筋肉)と腸骨筋(骨盤の骨から大腰筋とともに、大腿骨につながる筋肉)の2つをまとめた総称。カラダの奥にあるため、体幹深部筋(インナーマッスル)とも呼ばれる筋肉だ。
着地した足に腰から乗り込む際にも、キックした足の骨盤を引き上げながら前へ運ぶ際にも、この腸腰筋がとても重要になる。

必要な筋肉を動かすことが効率のよいフォームをつくる
また、大腰筋の始まる第12胸椎は、ちょうどみぞおちの高さになる。
効率のよいフォームで走るには、みぞおちあたりを支点に足をスイングさせることがポイント。腸腰筋(大腰筋)を使って走ることは、「みぞおちから足を出す」イメージで走ることにもつながる。つまり、腸腰筋をしっかり使うことで、ムダな力や足への負担を減らし、効率のよい走りが可能になるというわけだ。
その他に、大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋も、走るために必要になる主な筋肉。効率のよいフォームで走れば、これらの筋肉を自然と使うことになる。

トレーニングを工夫して骨盤まわりを強化
骨盤をスムーズに動かすには、骨盤まわりの筋力を強化することが必要だ。
ただし骨盤を動かす腸腰筋は、体内深部筋(インナーマッスル)とも呼ばれる、カラダの奥にある筋肉。日常の動作では使わない筋肉である上に、通常の筋トレで鍛えるのが難しい部分だ。そこでトレーニング方法だが、階段を利用したトレーニングも効果的だ。骨盤の動きをしっかりと意識して行うことがポイント。まずは骨盤を動かす動作を何度も繰り返してカラダで覚え、骨盤まわりの筋力を徐々にアップさせていこう。

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