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マラソン完走のためにはLSDトレーニングで心のスタミナが必要


身体のエンジンを大きくしよう
排気量をアップする・心肺機能を鍛える
エンジンは、排気量、馬力、燃費の3つの要素が大事ですが、それぞれ排気量は「酸素摂取量」、馬力は「スピード持久力」、燃費は「AT」に言い直してみます。

酸素摂取量は、運動中に身体にとり込む酸素の量です。少しずつ走速度を上げ、これ以上走ることができない状態に至ったときの酸素摂取量を最大酸素摂取量と言います。

優秀なランナーほど、この最大酸素摂取量は高く、持久力の指標とされています。鍛えに鍛えたランナーは、この最大酸素摂取量をさらに大きくすることが難しいのが現実です。

ところが、走り始めたばかりのランナーは、最大酸素摂取量を向上させる可能性があり、トレーニング効果を大いに期待させ、夢をふくらますことができるのです。

具体的なトレーニング法について説明しましょう。
最初のトレーニングはエンジンの排気量をアップする、すなわち酸素をたくさん身体にとり込むためのトレーニングです。そのためには、エンジンを回し続ける、つまり動き続けることが必要になります。

コスティル博士の著書に紹介されている実験結果は、トレーニングの効果を物語ってくれます。そこでは、トレーニングしていなかった被験者が数カ月間持久カトレーニングしたところ、著しく毛細血管が増えていることが示されています。毛細血管が増加すると、運搬される血液量が増えるだけではなく、血液と筋線維内部とのガス交換を高めることにつながる、つまり酸素運搬能力が高まるのです。

では、どのようなトレーニングを行うと効果が表れるのでしょうか。「長い距離をゆっくりと長時間走り続ける」トレーニング。これを一般にはLSD (LongSlowDistance の略語)と呼びます

LSDについて、「ただ長く走ればいいのではなく、フォームを考えながら丁寧に走らなければいけない」と。

なるほど、楽に走るトレーニングだけにいい加減な走り方をせず、しっかりと身体の動きを感じなければならない、ということは、正しいLSDを行えば、身体が動き続けるための基礎的な能力を身につけることができるのです。
その効果は、身体面に止まりません。

「体力」の構成は、身体の要素と精神の要素に分けられます。身体部分には気を配っても、見落としがちなのが心のスタミナです。マラソンは42.195km。走ってみると長いのです。

その長い道程を走り切るには、身体のスタミナはもちろんですが、心のスタミナも忘れてはならないのです。LSDで長時間走ることは、心のスタミナを養成することにもつながるのです。
基礎的な身体と心のスタミナを、まずはLSDで鍛えてみましょう。


今月は何キロ走った! というのはよく聞いても、何時間走った! というのはあまり耳にしない。エキスパートなランナーならそれでもいいけど、やはり最初のうちは走った時間が大切。距離だけを狙っているとスピードを求めるようになるから、特にビギナーだと故障を起こしやすくなる。
また時間が許す限り好きなだけ走る方が、気分的にもいい。
まずは美しいフォームを体で覚えるためにも、ゆっくりと長い時間走ろう。

どうやったら長い時間楽しく走れるの?
長い時間を短い周回コースでグルグル回るのは精神的にきついもの。やっぱりワンウェイの方が達成感があっていいし、ほかの人たちと一緒ならおしゃべりしながらあっという間に走り終わる。
そんな走り方で楽しめるのがマラニックとロゲイニングだ。


マラニック
明確な定義はないものの、マラソン+ピクニックが語源。
ゆっくりと3時間以上かけて寄り道や食を楽しみながらのランニングで、マラソン並みの運営のものもあるけど、仲間どうしのゆるランもマラニック。
サブテーマとして「たい焼きの名店巡り」などと冠し、食べ歩きを組み込むことも。
レースなどと違ってゆるいイベントなので、ルートを工夫しておけば途中から参加、途中で電車、といったことも簡単。人数が多くなると動きにくくなったり、入店できなかったりするので、8人程度を限度にSNSなどで集めて楽しもう。

ロゲイニング
オリエンテーリングと同じく、地図とコンパスを使ってチェックポイントを通過するイベント。しかしオリエンテーリングと違って、回る順序は自由で、チェックポイントの点数はバラバラになっている。制限時間は3時間以上あり、遅い人も速い人もみんな同じ時間に戻ってくる。どこを回れば楽に高得点が取れるのか、どこにチェックポイントがあるのかなどと、スタートからゴールまで頭脳プレーが要求されるから、走ることが意識に上らないのに時間いっぱい走れるイベント。


馬力を身につける。スピード持久力の養成
馬力と言えば、坂道を平地と同じように走る姿を思い浮かべるかと思います。平坦なところを速く走るだけでない、どんなところでも力強く走るイメージでしょうか。まさに馬がどんなに大きな馬車でも引っ張る姿です。

ランナーには、フラットなコースが好きな選手と上り下りがある起伏のコースが得意な選手がいます。上り下りが得意な選手は、馬力がある選手のイメージとしてぴったりで、箱根駅伝の山登りの5区を走るランナーたちはその代表です。

あるいは800m や1500mを走る中距離ランナーでしょうか。血液中に乳酸を溜めに溜めて争うこの競争に、ヨーロッパではトラックの格闘技と称して、その厳しい戦いを表現しているほどです。

上り坂効果
ただ速く走るのとは違う、スピードと持久力を兼ね備えた力強い走りが求められるかと思います。利用したいのは、上り勾配の坂道です。

まずは、上り坂をゆっくりと走ってみます。上り坂の場合は、平地と同じ走速度でも脚の接地時間が長くなるために、筋が力を出し続けなくてはなりません。脚の筋力の発揮をイメージすると、ジワーツ、ジワーツと走っている感覚です。

筋肉は、速く動くことはありませんが、ゆっくりと確実に力を出して、脚の筋持久力を鍛えられているのです。


レースまで1か月を切ったらコンディションづくりに重点をおく
調整期間は走る距離をセーブし体調を整えるメニューを
レースまで1か月を切ったこの時期に考えなければならないのは、自分自身のコンディション。4時間台に向けての走り込みは十分できているはずで、レース当日までは体調管理中心のトレーニングに重点をおきたい。

基本的には「ペースラン」と「LSD」中心のメニューで、走る距離は抑えめにする。前日のトレーニングの疲れが残っている場合は積極的に休養をとり、無理に練習しないことも、この時期には特にたいせつである。

また、5時間台をめざしたときと同様に、自分の走力を確認する意味で「タイムトライアル」をメニューに加えてもいいだろう。目標は1キロ4分で、このペースが維持できれば4時間台で完走できる力が備わっていると思ってかまわない。
ただし、無理して走っても意味がない。ある程度の余裕をもって走れるペースで行うのがよい。それが現段階での自分の実力であると考えよう。


レース前日は軽い運動をして体に刺激を与える
4時間台にチャレンジするランナーはレース経験のある人が多いので、1週間前の調整法は心得ているはず。4時間台をめざす場合も5時間台と同様で、ベストコンディションでレースに臨めるように体調を整えていけばよい。

4時間台をめざすからといって、この段階で特別なトレーニングをする必要はない。リラックスして過ごすことがたいせつなので、走ったあとに「気持ちよかった」と感じるぐらいのトレーニングを心がけよう。トレーニングはあくまで調整程度にし、あとは休養にあてる。

レースの前日は、5時間台のときと同じように、体に軽い刺激を与えるぐらいの運動をして、睡眠を十分とってレースに臨もう。

最後にレース当日の心得を。4時間台をめざす人は、フルマラソンで5時間台の前半を出し、チャレンジしていることだろう。強い気持ちでトレーニングに励み、自信をもってレースに臨むのはいいこと、しかし気負いは禁物だ。

タイムの目標を意識しすぎると、前半でオーバーペースに陥り、自滅するケースが多い。目標タイムはあとからついてくるもの。初心を忘れずに、マイペースで楽しみながら走りたい。

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