1. トップページ
  2. 長距離選手に必要な鉄分やビタミンなどの栄養を食事から摂ろう

長距離選手に必要な鉄分やビタミンなどの栄養を食事から摂ろう

バランスのとれた食事が、ケガに負けない体をつくる

選手にとって、食事はトレーニングと同様にとても重要な要素。そしてバランスが大切だ。
部分的な筋トレでは体の一部しか鍛えられないし、無理な運動はケガをしやすい。

食事も同じように、偏食や過剰摂取は、栄養が偏ってしまったり、胃に負担をかける原因になる。「速く走る」ためには毎日のトレーニングが必要だが、それには回復の早い、丈夫な体が不可欠。特に練習で故障してしまっては、ハードなトレーニングも台無しになる。
故障を防ぐためにも、食事でケガをしにくい体をつくることが大切だ。

また、パワーをつけたいからと、肉や脂っこいものばかり食べるのは意味がない。栄養は、複数の栄養素のバランスによって機能するからだ。

「3大栄養素」が体をつくり、ビタミン・ミネラルが体を動かす
確かに、肉や魚などに多いタンパク質と、油に含まれる脂質、そして主食となる炭水化物は、体を構成するメインの栄養素。この3つは「3大栄養素」と呼ばれ、体を動かすエネルギー源となる。

けれども、どんなに丈夫な筋肉や内臓を構成しても、それだけで体は動かない。頑丈なボディやエンジンを搭載した車もオイルがなければ動かないように、人間にもそれを機能させる潤滑油が必要なのだ。

その、潤滑油の役割を果たすのが、ビタミン・ミネラルや水分。肉や魚以外に、野菜や果物にだけ豊富に含まれる栄養素がたくさんある。これらがうまくかみ合って、はじめて人間の体がスムーズに機能する。

栄養のポイントを押さえて、できることからはじめよう
選手にとっては、3食を欠かさずバランスよく食べることが、もちろん必要。
食材もバラエティ豊かにとるのが理想的だ。

忙しい朝や、外食になりがちな昼食には手間をかけづらい。
意気込んで3日坊主にならないためにも、必要な栄養のポイントを押さえて、できることからはじめよう。時間がなければ、市販のサラダや惣菜を利用するのも手だ。一品で済まさず、少しでもたくさんの栄養素をとる心がけをしよう。

ちょっとした意識や食材の組み合わせ次第で栄養の吸収率はグンとあがってくる



いそがしい朝でも、糖質は必ずとろう。
起き抜けの体はエネルギーがカラッポの状態。朝食前に練習をするのであれば、まずはジュースやスポーツ飲料だけでもとる。

朝食の第一段階としては、ブドウ糖を含む炭水化物と水分をセットでとること。ブドウ糖は唯一の脳エネルギー源で、脳が体への指令を出す際に重要な栄養。不足すると、体が十分に動かない

水分はジュースか、タンパク質を含む牛乳がよい。余裕があればワンプレート料理を追加したり、フルーツを添えたりとステップアップしていこう。野菜やフルーツがとれなくても、100%ジュースで代用できる。手軽に糖質やビタミンを補給できるので、食欲がなければジュースだけでも飲むようにしよう。


昼食は、どうしても食堂や給食、お弁当などになることが多い。しかも丼ものや、ラーメン1杯で済ましてしまいがち。
定食やセットメニューを食べることがベストだが、それが無理なら、どんぶりなら小鉢をつける。ラーメンならできるだけチャーシューや野菜の入ったものを選ぶといった意識をしよう。

あまりおすすめできないのが、脂質をとりすぎるハンバーガーとポテトの組み合わせ。どうしてもファーストフードを食べたいなら、この組み合わせは避けて、サラダや野菜ジュースをつけよう。また、昼にこってりした食事をしたのなら、夕食をさっぱりしたものにする工夫が必要だ。


選手であれば、夕食を食べるのは、大抵が練習のあとになるはずだ。疲労した筋肉の回復を早めるために、夕食は重要な栄養源。

食事は、練習後できるだけ早く食べる方がよい。消費したエネルギーをすぐに補給することで、それだけ疲労回復が早くなるからだ。

ごはんなどの主食に、タンパク源である肉・魚をメインに多めにとる。糖質とタンパク質を合わせてとることで、筋肉のグリコーゲン(エネルギー源となる成分)が増加し、回復が促進される。

もちろん、ビタミン・ミネラルとなる野菜や果物も合わせて食べよう。
比較的余裕のある夜は、朝昼にとれなかった栄養を補うのにも最適だ。


アスリートの栄養ビタミンB・鉄分・カルシウムをとろう

体の機能をアップさせる、3つの成分に注目
「ねばりが出る」と言うように、納豆にはスタミナを維持する効果がある。その秘密は、納豆に含まれる「ビタミンB1」。エネルギー源となる三大栄養素は、意識しなくても普段の食事の中でだいたいとり入れることができる。

選手にとっては、エネルギーをどう機能させるかが、体を動かすポイントになるので、ビタミン・ミネラルが非常に重要になってくるのだ。その中でも意識したいのが、ビタミンB1、鉄、カルシウムの3つ。

ビタミンB1は、ビタミンの中でも摂取がしにくく不足しやすい。毎日とらないと欠乏してしまい、かつ糖質をエネルギーに変える際に必要という、やっかいな栄養素。欠乏すると集中力が低下し、疲労感を感じやすくなる。

トレーニング量の多いときは、特に意識してとるようにしよう。ブタ肉の赤身やブタレバー、納豆・豆腐などの大豆製品、オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれている。

長距離選手に欠かせない鉄分を積極的にとろう
鉄分は、汗からも発散されてしまう栄養素。不足すると貧血をおこすので、運動量の多い長距離選手が夏場の貧血に陥りやすいのはそのせいだ。

その一方で、鉄分は比較的、体内にためておくことができるので、夏場の欠乏を防ぐためにも、冬から積極的にとるようにしよう。たとえば貧血を防ぐため、ひじきとレバーを欠かさず食べる。

ほかにも牛肉の赤身やあさり、カキ、かつおやまぐろといった赤身の魚からとることができる。朝食や昼食にはとりづらい食材なので、夕食で積極的にとることもポイント。

また、鉄分をとる際は、必ずビタミンCとタンパク質を合わせてとるようにしよう。吸収率が格段に違う。

貧血防止に鉄分をとろう
短距離選手と比べて、中・長距離やマラソン選手には貧血が多い。距離を踏むほど足の裏の血小板を壊してしまうことも原因の1つだが、距離が長いほど、発汗量も多いからだ。

鉄分は汗から発散されてしまうので、運動後には水分と同時に鉄分を補う必要がある。冬場から積極的に鉄分をとって、貧血による夏バテを防止しよう。


毎食時の牛乳で、強い骨をつくる
もう一つ、とくに長距離選手に多いのが疲労骨折。これを防ぐには、とにかく牛乳を飲むこと。丈夫な骨をつくるカルシウムは、牛乳からの摂取がいちばん効果的だからだ。小魚や海藻からもとれるが、1日のうちに牛乳やヨーグルトなどの乳製品をできるだけとろう。

目安は、一般の人で1日200~300ml。競技者であれば、最低400mlは必要だ。できれば朝、昼、晩と200mlずつ合計600ml飲むことが理想。牛乳は、コーヒーに入れたりスープにしてもOK。そのままで飲みにくければ、ミルメークで味をつけるのも手だ。飲みやすく工夫をして、なるべくたくさん飲むようにしよう。