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クーリングダウンに筋肉痛緩和の効果はないが疲労回復には必要

クーリングダウンは何のため行うのか?
クーリングダウンは積極的休養
クーリングダウンとは
①運動によって変化した身体機能・状態を運動前の状態に素早く戻すこと
②急に運動をやめると循環器系に負担がかかり、心臓発作などの異常が生じる恐れがあるので、それを防ぐために行う運動のことです。

クーリングダウンは床に寝転がるなどの完全体息よりも、軽い運動を行うほうが疲労回復や障害予防などの効果を得られることがわかっていて、積極的休養とも呼ばれています。

筋ボンプ作用で乳酸を除去する
運動中、筋内で生成される乳酸は蓄積されると同時に酸化され、エネルギー源としても利用されています。

しかし、運動強度が高くなると乳酸の生成量のほうが多くなり、筋内に乳酸が過剰に蓄積して筋収縮を阻害し、疲労を招きます。

その乳酸を除去するためには運動後、安静を保つよりも軽い運動を行うほうが効果的であることがわかっています。その理由の1つとして筋ポンプ作用の働きがあげられます。

筋ポンプ作用とは、筋肉(特に下肢の筋肉)の収縮と弛緩の繰り返しによって静脈の血液を心臓に送り返し、血液循環を促進させる働きのことをいいます。

運動後に安静を保つと筋ポンプ作用が働かず、血液循環がとどこおりがちになり、筋から全身への乳酸の拡散が遅くなってしまいます。

一方、軽運動により筋ポンプを働かせた場合は、血液が豊富に流れ、乳酸の拡散が高まるとともに乳酸をエネルギー源として利用する骨格筋や心筋などへ乳酸を渡すことができ、乳酸の除去が早まります。

さらに、乳酸は有酸素運動時にはエネルギー源として筋肉で利用されるので、乳酸の過剰蓄積がない程度の有酸素運動をクーリングダウンとして行うと、乳酸の除去を早め、疲労回復を促進すると考えられます。

ある報告によると、激しい運動後に上昇した血中乳酸が半減する時間は安静では30分かかるところ、クーリングダウンを行うと15分で済んでしまうということです。

さらに運動後の血中乳酸の除が早まるということは、酸素負債も減らすことにつながるのでクーリングダウンは酸素負債の償却効果にも役立ちます。

筋ボンプ作用を使って血液循環を正常に保つ
運動後にクーリングダウンをせず、筋ポンプの作用を急に停止すると、心臓へ送り返される血液量が一時的に減少して脳貧血、失神、めまい、吐き気などを引き起こすことがあります。

ある報告によると、100名の男性にオールアウト走を行わせ、終了後そのまま立たせておいたところ、17名が失神してしまったということです。この現象も軽運動を継続して筋ポンプを維持し、生常な血液循環を保つことにより防止できると考えられます。

呼吸を整え、過換気を防ぐ
運動直後は息はまだハアハアしています。この早く深い呼吸を繰り返すと肺から多量の二酸化炭素(CO2)が排出され、動脈血中のCO2濃度が低下し、血液がアルカリ性に傾いてしまいます。

この現象は過換気(過呼吸)と呼ばれ、筋の痙攣や血圧低下を引き起こします。クーリングダウンを行うことで徐々に呼吸を調え、血液中のCO2濃度をコントロールし過換気を防ぐことができます。

クーリングダウンは筋肉痛の防止に役立つか
以前はクーリングダウンを行うことによって、筋肉痛の防止効果があると考えられてきましたが、近年の研究ではクーリングダウンは筋肉痛には防止・軽減効果がないという報告もあります。

クーリングダウンの方法
実際のクーリングダウンは競技種目によりその内容は異なりますが、筋ポンプを働かせるような軽い有酸素運動(ジョギングや歩行、自転車こぎ運動など)と、主運動により負担がかかって緊張している筋をリラックスさせるためのストレッチングを合わせて行うことが基本でしよう。

また、酷使した筋や関節の炎症や充血を抑えるためには、氷で患部を冷やすアイシングを積極的に行うことが有効です。

アイシングは氷と袋さえあれば簡単に行えるので、けがをした時だけではなく、練習や試合後に行う習慣をつければ疲労回復やコンディショニングの向上につながります。

現状では時間がない、面倒くさいなどの理由でクーリングダウンは軽視されがちです。

しかし、練習や試合での疲労を素早く取り除き、傷害を最小限に抑えることが、からだの健康を保ち、次回の練習や試合でのパフォーマンスの向上につながるということを考えれば、クーリングダウンはウォーミングアップ同様にコンディショニングの一環として取り入れる必要があるでしょう。